子どもの糖尿病(2)
美唄市医師会・松浦信夫
子どもの2型糖尿病は、インスリンの効き方が低下し、インスリンの分泌が悪くなり、結果として血糖が上昇する病気です。家族内で、同じ病気を発症する人が多く、誘因として肥満があります。美唄市に来て気が付くことは、肥満が多く、特に中学生に多いことです。2型糖尿病は、日本だけではなく世界的に増加しており、背景には肥満の増加、食べ物や飲み物の変化があります。
これまで子どもには少なかったので、治療に使える薬も限られていました。私が、北里大学在職中に医師主導の治験を実施し、第一選択薬のメトホルミンが、一日2,000mgまで子どもでも使用できるようになりました。
2型糖尿病の症状は乏しく、学校における集団検尿などで偶然発見されることが多いです。診断された時、多くの方は入院して、経口血糖降下薬または、一時的にインスリンで治療され改善します。しかし、病気が治ったわけではありません。継続的な検査や治療が必要ですが、症状がないため、治療を中断してしまうことが多いのが問題です。20代の後半から30代前半になったころ、視力の低下、足のむくみなどで病院を訪れると、重い糖尿病性合併症が進んでいることが多いのです。今は、非常に良い経口薬が開発され、子どもにも使用できるようになりました。症状がなくても、定期的に検査、治療を受けることが必要です。
(執筆者紹介/市立美唄病院小児科医師)
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