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明日の健康

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北海道美唄市

子どもの糖尿病(1)
美唄市医師会・松浦信夫

糖尿病は、慢性的に血糖が上昇する病気で、これが持続すると糖尿病性合併症を引き起こします。多くは、中年以降の成人が発症しますが、子どもにも発症することがあります。糖尿病には、1型糖尿病と2型糖尿病があります。2回のシリーズで、これを説明します。
1型糖尿病は子どもに多く、特に幼小児に発症する糖尿病はこのタイプです。突然、多飲、多尿、体重減少で発症し、放置すると昏睡(こんすい)に陥(おちい)る重い病気です。血糖を下げるインスリンの分泌が止まってしまうため、インスリン注射をしなければ生きていけません。病気が発症し、1型糖尿病と診断されますと「一生治ることがなく、インスリン注射を続けなければならない」と宣告され、本人、ご両親は大変ショックを受けます。この時、医師は「インスリン注射をして、規則的な生活をすると、健康な子どもと同じ人生を送れます」と話しますが、わが国では、長期間患者を追跡して、これを証明した報告はありませんでした。私は北大病院在職中の1973年から、糖尿病児のサマーキャンプを始め、これに合わせ、毎年北海道内で15歳未満に発症した患者さんの登録を行いました。1959年から1996年までに発症した子どもは521人で、その子どもたちが、現在どうしているか調査しました。糖尿病診断からの期間は平均36年で、一番古い症例は、3歳で発症して、現在67歳の男性です。きちんと治療すれば、健康な子どもと同じように一生を送ることができることが明らかになりました。病気を受け入れる本人の気持ち、これを支える家族の援助が最も必要と考えます。
(執筆者紹介/市立美唄病院小児科医師)

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