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明日の健康

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北海道美唄市

専門医とは
美唄市医師会・三浪明男

病院・医院などを受診した際に〇〇科の専門医である、との院内掲示をしばしば目にすることがあります。〇〇科専門医とは何ぞやと疑問に思われたこともあるのではと思います。病院の前に掲示してある標榜(ひょうぼう)科(内科、外科など)と何が違うのか、今回はその専門医について少しご説明したいと思います。
当初、専門医は各学会(私の場合は日本整形外科学会)で独自に決めたものでした。つまり、この専門医を受診したならば当該領域の範疇(はんちゅう)の病気(疾患)であれば標準的な診断・治療を受けることができるというものでした。さらに各診療領域の自分の専門外の病気の場合には、その病気の治療を行うにふさわしい医師を紹介することができるというものです。従って専門医はいわゆるスーパードクターではありません。
前記したように当初の専門医は学会独自で認定するものでしたが、最近は公的に専門医を認定する組織(日本専門医機構)が認定し、専門医が当該分野の専門医であることを公的に認めることとなりました。
私の所属する学会では、専門医を取得するためには整形外科領域のほぼ全ての分野(部位的に脊椎・上下肢など、また疾患としての小児整形、腫瘍など)を網羅して一定期間、大学病院や大きな病院の基幹病院と診療域に特化した専門病院、救急病院、地方の病院などで研修する必要があります。さらに一定数以上の症例の診断、治療などの経験、論文作成、研修講演などの受講により受験申請を行い、専門医試験(筆記)そして口答試問に合格して初めて専門医として認められ、最終的に公的機関が認定することになります。また、全分野の研修講演を受講し、一定数の臨床経験、論文作成などを満たした上で、5年ごとに更新することが義務づけられています。
病院・医院などを受診する際に標準的で的確な診断・治療を受けるために、一つの指標として専門医であることを目安に考えることもあると思います。
(執筆者紹介/北海道大学名誉教授・北海道せき損センター名誉院長)

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