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明日の健康

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北海道美唄市

アルコール依存症について

かつてはアルコール中毒という名称が使われていました。アルコール依存症の患者数は150万人から250万人はいると推測されています。アルコール依存は他の薬物依存と同様と定義され、アルコール依存はアルコールの摂取の結果起こる精神的ならびに身体的状態であり、種々の行動面の反応により特徴づけられます。
精神症状としては、浅薄(せんぱく)な感情、易刺激性(いしげきせい)(※)、衝動的な暴力、道徳的感情の低下、家庭を顧みない無責任さ、散漫な思考、判断力、理解力、記憶力の低下などが認められます。重篤になるとコルサコフ精神病(記銘力障害、見当識障害、作話など)を発症することもあります。
身体症状としては、胃炎、脂肪肝、肝硬変、膵炎(すいえん)、心・血管系の障害に加えて神経症状も合併します。神経症状として最も多いのは多発神経炎です。ウェルニッケ脳症(せん妄、昏睡(こんすい)、けいれん発作などから死亡することもあります)という重篤な神経症状を発症することもあります。
アルコール依存症では、アルコールが抜ける際に離脱症状という不快な症状が出現することがあります。これは、手指、舌、まぶたの震え、悪心(おしん)、嘔吐(おうと)、動悸(どうき)、発汗、血圧の上昇、不安、抑うつ、いらいらなどで、禁酒、減酒の数時間後に始まることもあります。離脱症状を避けるために飲酒を繰り返してしまい、結果としてより重篤な依存状態になってしまいます。離脱症状は病院できちんと管理すれば、予防できることが多いです。
治療薬としてかねてからある抗酒剤のほかに節酒剤が使えるようになりました。ご心配な方は医療機関に相談してみてはいかがでしょうか?
※ささいなことで不機嫌になること

〔執筆者紹介〕
美唄市医師会・石本隆広
心療内科あおぞらクリニック院長

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