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自治体の皆さまへ

≪特集≫地域を見守る やさしい人(1)

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北海道美幌町

「お年寄りをそっと見守る人」、「子どもたちをやさしく見守る人」、「散歩しながら自然に見守る人」私たちは住む美幌町には、陰ながら地域をやさしく見守っている方がいます。
ある人は、毎日、誰に頼まれたわけでもなく、同じ時間に同じ場所で。ある人は、自治会の活動の一環として、自分にできることを毎日コツコツと。何の見返りも求めずに。
お年寄りの見守りは、多くの自治会で自治会活動の一環として、「たすけあいチーム」を中心に行われています。活動の内容は、見守りや声掛け、ゴミ出し、ハイキング、敬老会、カラオケ大会など自治会によって、趣向を凝らした様々な取組が行われています。中でも除雪は、高齢者にとって生命線の一つとも言えます。
そんな「やさしい」活動をされている方々をご紹介します。

◆そっとやさしく
元町自治会 太田博美さん

2月9日、一年で最も寒い時期をむかえ、この日の最低気温は氷点下15度を下回った。
近所に住む一人暮らしのお年寄りの見回りを日課としている太田博美は、この日も住宅街に車を走らせた。十数年続けている一日のルーティンである。太田の住む元町では、10人以上のボランティアが高齢者の見守りを続けている。
「何も変化がないことが一番いい」と思いながら、見慣れた通りへとハンドルをきった。照明はついているが、郵便物はたまっていないか、車窓ごしにそっと見守る。長年の活動で、何かあったときのためにと家族から鍵を預かっているお宅もある。その中の一人の家の照明がまだついていない。嫌な予感がした。少し出かけているだけなのかもしれないが、電話をかけても出ない。過去には「美容室に行っていただけ」と空振りしたこともある。だが太田は「空振り三振は最高の結果」だと思っている。携帯電話を手に取り、迷わず美幌警察署に相談。駆け付けた署員とともに家に入ると、顔なじみの女性が台所で転倒して動けなくなっていた。
「太田さんなら必ず来てくれると思ってた。ありがとう」女性の声に安堵した。幸いにも命に別条はなかったが、室内とは言え真冬の美幌、ましてや高齢の女性、もし発見が遅れていたら…。
長年つづけていたからこそ気付けた変化。後日、美幌警察署長から感謝状が手渡された。
太田は、感謝状贈呈式後の取材で「自治会活動の一環として、自分ができることをやっているだけ。隣に住むお年寄りをちょっと気に掛けるのも立派な見守り。照明がついているが、最近みかけない、郵便物がたまっていないかなど、通勤しながら、散歩しながら、“ながら見守り”が一番長続きする。無理せず、自分のできることを出来るときにやる。見守らなければと意気込むのではなく、ゆるく楽しみながら今までよりも少しまわりを気にかける人が増えてくれれば、安心が広がる。」と語った。
その日の夕方、太田のいつものルーティーンがはじまる。いつもの車で、いつものルートで何も変化がないことを願いながら。そっとやさしく。

◆えがおでやさしく
シニアボランティア交通安全指導員

小学生の交通事故件数を見てみると、歩行中の事故は小学1年生が最も多く、学年が上がるにつれ減少します。交通事故原因は、飛び出し、横断違反、路上遊戯、信号無視が多く、さらに子どもの視野は、水平視野、垂直視野ともに大人の6割程度と言われており、こちらが気付いているだろうと思っても、子どもには見えていないことがあり、子どもたちの通学には危険がいっぱいです。
そんな子どもたちの通学を見守る人たちがいます。町が選任している交通安全指導員の他に、無償でボランティアとして活動しているシニアボランティア交通安全指導員24名の皆さんです。年6回の交通安全運動の際に、早朝から子ども達の通学を見守っています。
その中でも元町自治会、元北自治会のシニアボランティア8名の皆さんは、交通安全運動期間以外の日も毎朝、子どもたちの通学を見守っています。
町田芳文さん(元町)と宮澤要治さん(元町)は、公園通と旭通の交差点、佐藤淳一さん(元北)と小田切純子さん(元北)は美小付近、馬場博美さん(元町)と小西守さん(元町)は大谷幼稚園付近、半澤孝一さん(元町)は本妙寺付近、太田博美さん(元町)は瑞法寺付近で、交通安全旗を片手に、「おはよう」と声を掛けながら笑顔で子どもたちの見守り続けています。
美幌町は、交通安全に対する取組がとても盛んです。その活動は、自治会や多くのボランティアの皆様によって、支えられています。

▽Interview
地域交通安全活動推進委員 齊藤紀一さん
公安委員会から委嘱を受けボランティアで活動している地域交通安全活動推進委員。委員で構成する協議会の会長を努める斉藤紀一さんにお話しを伺いました。

Q.活動内容は?
平成15年に推進委員を委嘱されてから20年以上、毎朝、旭小学校と美幌中学校の子どもたちの通学を見守っています。マナセン横の押しボタン式信号機付近が私の定位置です。

Q.印象に残っていることは?
子どもたちに「おはよう」と声をかけると、元気よく返してくれることが何よりも嬉しいです。逆に元気がないときは心配になります。私が元気なうちは、これまでどおり見守りを続けたいと思っています。

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