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地域で守り育てよう 私たちの苫前商業高等学校

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北海道苫前町

「商業高校生が学ぶ『課題研究』の紹介」

高校の教科「商業」は何科目あるかご存知でしょうか。実は20科目もあります。その20科目は、商業の基礎科目、マーケティング分野に属する科目、マネジメント分野に属する科目、会計分野に属する科目、ビジネス情報分野に属する科目、学習のまとめとしての総合的な科目の6つに大別されます。今回紹介する「課題研究」は、学習のまとめとしての総合的な科目に属する科目です。どのような内容かというと、ビジネスに関する課題を設定し、その課題について研究・発表するというものです。生徒の興味・関心、進路希望等に応じて、次の(1)から(4)の項目や、(1)から(4)までの2項目以上にまたがる項目の中から、個人またはグループで商業の各分野に関する課題を生徒自らが設定し、課題の解決策を探究し、評価・改善を図る学習活動を行います。その(1)から(4)の項目は、(1)調査、研究、実験、(2)作品制作、(3)産業現場等における実習、(4)職業資格の取得です。今年度は、3年生全員が(1)調査、研究、実験を選択し、観光商品企画やイベント企画、商品開発について探究を深めました。3年生は15名おり、個人、グループで調査、研究を進め、3つの観光商品企画、2つのイベント企画、2つの商品開発を考えました。生徒たちに最初に立ちはだかるハードルは、自分の思いをどのように形にしていくかです。そこで、力を貸していただく人が地域の方や企業様になります。アドバイスを頂きながら、調査、研究を進めていきます。生徒は、地域の方や企業様の協力なしでは調査、研究を進めることができないことに気づくのです。
これから、調査、研究を進めた取り組みの中から商品開発「かぼちゃ蒸しパン」について紹介します。商品開発の基本的な手順は、1調査・分析→2コンセプト設計→3メニュー開発→4告知・販売→5評価です。まず、生徒たちは調査・分析を行い、コンセプトを苫前町産のかぼちゃとアレルギー要素が少ない材料を使用したお菓子を製作することとし、ターゲットを幅広い年齢層向けに設定しました。メニュー開発では、スコーン、パウンドケーキ、クッキー、カップケーキ、蒸しパンと試作し、生徒や教員に試食してもらいアンケートを取った結果、一番好評だったかぼちゃ蒸しパンを商品化していくことにしました。次は、製作企業探しです。近隣の企業を調べ、地元の上田ファーム様にアポイントメントを取り、生徒は、かぼちゃ蒸しパン製作の思いを伝え、上田ファーム様との試作が始まりました。上田ファーム様の施設をお借りし、ホットケーキミックス、強力粉、米粉、薄力粉と粉の種類を変えながら、その都度生地の状態やペーストの量を調整するなどして試作していき、ようやく生徒の思いがこもったかぼちゃ蒸しパンが出来上がりました。そして、告知・販売は11月1日の体験発表会とし、そのお披露目の日を待ちわびました。販売会では多くの地域の方たちにお買い求めいただき、用意したかぼちゃ蒸しパンはあっという間に完売することができました。生徒たちは、この結果を受けて、努力が結果に表れたことに大きな喜びを感じていました。今後は、生産可能時期や数量、金額などを決めていき、継続販売できればと考えています。
最後になりますが、生徒のためにメロンやかぼちゃ、米などたくさんの特産物を使わせてくださる地域の方や企業様のおかげで、生徒の思いが形にできることに、この場をお借りして心から感謝を申しあげます。
地域連携委員 藤田 薫

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