■こころの健康のために(30~60歳代編)
厚生労働省は、3月を「自殺対策強化月間」として、自殺防止に向けた集中的な啓発活動を実施することとしています。昨年度は若年者(10~20歳代)の取り組みを紹介しましたので、今回は30~60歳代の対策についてお知らせします。30~60歳代は、それぞれのライフスタイルにより人生を送っていると思いますが、職場や家庭の中では、自分の望むこととは違うということもあるかもしれません。中でも、失業や経済的な困窮は自殺のハイリスク要因の1つであり、社会的な対応も必要になります。また、親の介護や離婚などのさまざまな変化が、うつ病やアルコール依存などの精神疾患につながることもあるため、周囲の見守りが大切です。
〈この時期にみられる代表的な精神疾患〉
○うつ病・躁うつ病(「産後うつ」や「介護うつ」など、特定の状況で起こりやすいものもありますが、このような心因性の要因がなく起こるうつ病もあり、同じ病名であっても、人によって症状は異なります)
○依存症(アルコール、ギャンブルなど)
上記2つ以外にも50歳前後の女性にみられる「更年期障害」は、ホルモンバランスの乱れから生じますが、時に抑うつ症状やイライラ・不安感などのこころの不調を示すことがあります。更年期障害の治療法としては、ホルモン補充療法などがありますので婦人科を受診しましょう。
◆こころの調子が崩れたときのこころと身体のサイン
・不安や緊張が高まってイライラしたり怒りっぽくなる
・気分が落ち込んで、やる気がなくなる
・ちょっとしたことで驚いたり急に泣き出したりする
・人付き合いが面倒で避けるようになる
・肩こりや頭痛、腹痛、腰痛などの痛みが出てくる
・下痢や便秘をしやすくなる
・寝付きが悪くなったり、夜中や朝方に目が覚める
・めまいや耳鳴りがする
・食欲がなくなって食べられなくなったり、逆に食べ過ぎてしまう
*「こころの不調」の訴えが無くても、さまざまな身体的不調(不眠や頭痛、めまいなど)により内科を受診したが不調が改善されないような場合は、注意が必要です。
◆困ったときは誰かに話してみましょう
困ったときやつらいときに話しを聞いてもらうだけでも、気持ちが楽になることや話すことで自分の中で解決策が見つかることがあります。
日頃から家族や友人、同僚、地域の仲間など、気軽に話せる人を増やしておきましょう。
〈相談の窓口〉
▽経済的な困窮が原因の場合→福祉相談(役場保健福祉課福祉係)や法律相談など
▽子育てや家庭(DVなど)の問題→子育て相談(役場保健福祉課保健係・福祉係)など
▽介護の問題→地域包括支援センター(役場保健福祉課内)など
◆早期の治療が大切です
こころの病気は、治療にある程度の期間が必要な場合も少なくありません。
どのくらいで回復できるかはそれぞれ違いますが、早めに治療するほど、重症化や慢性化を防ぐことができます。
診察でこころの状態をうまく伝えるのは難しいこともあります。話すことが得意ではない場合には、伝えたいことをあらかじめ紙に書いておいたり、医療機関のスタッフに話しを聞いてもらい担当医に伝えるべきことを整理してから伝えるという方法もあります。
お問合せ先:苫前町保健福祉課保健係
【電話】0164-64-2215
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