■企業会計の決算状況
◆水道事業
市民の生活用水を供給しています。新設事業としてウトナイ南に配水管を布設しました。また、改良事業では、老朽化した配水管や錦多峰導水管の布設替えを行うとともに、高丘浄水場場内整備工事や錦多峰浄水場PAC注入流量計更新工事などを行いました。
収益的収支は1億9,781万円の黒字で、消費税と地方消費税を整理した純利益は8,514万円でした。
◆下水道事業
快適で衛生的な生活環境を保つため、宮前町およびのぞみ町などの汚水管、雨水管の整備を行いました。また、管きょ以外の施設では、糸井中継ポンプ場の耐震化対策、西町下水処理センターの消化ガス発電設備更新などを行いました。
収益的収支は6億7,839万円の黒字で、消費税と地方消費税を整理した純利益は5億7,905万円でした。
◆市立病院事業
急性期医療に対応した高度な先端医療を提供しています。術中測定データを一括管理、活用する手術支援システムの導入や、神経機能検査装置などの医療機器を増備、更新しました。
収益的収支は5億9,029万円の赤字で、消費税と地方消費税を整理した純損失は5億9,502万円でした。
◆公設地方卸売市場事業
市民に安全・安心な生鮮食料品などの安定供給を図るため卸売市場を開設しています。市場施設整備として、水産物部棟で消火設備の更新を行い、青果部棟で売場床改修を行いました。
収益的収支は1,170万円の赤字で、消費税と地方消費税を整理した純損失は1,340万円でした。
◆令和5年度企業会計決算状況(単位:万円)
■財政健全化比率および資金不足比率
地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づき、財政健全化に関する指標の公表を行っています。令和5年度決算の指標は以下のとおりとなっています。
■財政健全化計画と財政状況
平成19年2月に財政健全化への道筋を示し、厳しい財政状況に対して市民の皆さんと共通の認識をもつため「苫小牧市財政健全化計画(平成19~21年度)」を策定、その後、平成22~24年度、平成25~27年度、平成28~30年度と3年ごとに計画を策定し、財政指標の管理などにより財政健全化に取り組んできました。
平成31年2月には、「財政基盤安定化計画Sec・nd Stage(令和元~3年度)」を策定し、経常収支比率、実質公債費比率、将来負担比率の3指標について、目標管理ゾーンを設定し、一定幅の中で健全性を管理しています。
令和4年度はコロナ禍により市税などの先行きが不透明な状況にあり、今後の見通しが立てにくい状況であったことから、「財政基盤安定化計画Sec・nd Stage(令和元~3年度)」で定めた財政目標などを踏まえながら、財政運営を行っています。
令和5年2月に、新たに「財政運営持続化計画(令和5~9年度)」を策定しました。
これまでの財政状況の推移を分析し、課題を踏まえた財政状況の見通しから、4つの財政秩序((1)財政運営の目安(2)基金等残高の管理(3)財政指標の管理(4)地方債の影響管理)を定め、持続可能で安定した財政運営を目指します。
ここでは、計画目標に対する市財政運営の進行状況と、3指標の令和5年度決算の状況についてお知らせします。
◆1 経常収支比率
令和5年度決算では89.4%で要注意ゾーンに該当しましたが、計画で定める目標ライン以下で推移しています。
◇経常収支比率とは?
財政構造の弾力性を判断する指標です。
歳出のうち人件費や公債費など経常的な支出に、市税などの経常的収入がどの程度充当されているかを示すものです。比率が低いほど弾力性が大きいことを示し、一般的に80%を超えると弾力性が失われつつある状態といわれています。
《計算方法》
分子:人件・公債・扶助費など毎年決まって出ていくお金
分母:皆さんの税金や交付税など毎年決まって入ってくるお金
◇令和5年度の状況
目標管理ライン:90.0%以下
実績:89.4%
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