■〔国スポ応援企画〕男女平等×スポーツ×健康 女性アスリートを応援します
市では、性別に関わりなく個性と能力を十分に生かすために男女平等参画都市を宣言するとともに、スポーツを通じて健康でたくましい心と体づくりを目指すスポーツ都市を宣言しています。
1月27日(土)~2月3日(土)にはとまこまい国民スポーツ大会(国スポ)を開催します。今回は、氷上競技で活躍していた女性アスリートの先輩方の声を交えながら、男性にも知ってほしいスポーツ界における女性の健康を取り巻く状況をご紹介します。
◆Special Interview
武田奈也(たけだなな)さん
東京都出身苫小牧在住。ファンに愛されるフィギュアスケーターとして活躍後、指導者へ。現在は、子育てをしながら指導者として活動中。
◇〔女性ならではの悩み〕初めての生理がイタリア
初めての生理はイタリア遠征中。生理がくるのが遅く、生理がきてからも9~2月のシーズンは生理が止まることも。選手としては楽だな、と思いながらもいつかは子どもを産みたかったので、強化選手用の健康診断で心配事を相談していました。引退後、婦人科で「大丈夫」と言われてホッとしたことを覚えています。生理がなくて「楽」だと思っていたけど、怖いことですよね。
◇〔子育てしながら指導中〕家族の協力に感謝します
私は、産前産後も休みがなるべく短くなるよう指導者として活動していました。つわりの時はポテトチップスを食べながら指導することも(笑)。子どもはとてもかわいいし、大変な育児は夫やおじいちゃん、おばあちゃんの協力があるので楽しめています。現在は、東京から移住してきた選手も育成中。プレッシャーもありますが成果を出すよう意識しています。フィギュアスケートは、ジャンプなどで女子選手ならではの指導があります。生理がきたか、大会と生理が重ならないかなどについて共有するほか、思春期や反抗期などの時期を一緒に解決することも、指導者としてのやりがいになっています。
◇〔選手の皆さんへ〕競技を楽しんで!
5歳の時、きれいな衣装を着た選手がリンクに立って、プレゼントが投げ込まれている様子をTVで見てフィギュアスケートを始めました。東京で練習している時は、リンクが少なく借りるのも高い!苫小牧は、市内に屋内リンクが4つもある恵まれた環境ですよね。自分では笑っている意識はなかったんですが、笑顔が素敵な選手に憧れていたこともあり、私も「笑顔」の演技をたくさんの人に応援してもらいました。国スポもありますし、選手には自分の持っている力を出し切り、競技を楽しんでほしいです。皆さんの活躍を応援します!
◎ロングインタビューはこちら
※二次元コードは本紙P.5をご覧ください。
◆01 男性アスリートとの違いって何だろう?
女性は男性と同じように筋肉がつくのでしょうか?女性は、多くの競技で筋肉量が男性の約70%という数値であり、さらに脂肪がつきやすい特徴があります。また、一番の違いとして生理や妊娠・出産があります。
◆02 女性の3つの健康障害って何だろう?
本来スポーツは健康的であるはずですが、現在、健康をむしばまれている選手が増えています。女性特有の3つの健康障害は(1)エネルギー不足(2)無月経(3)骨粗しょう症と言われており、競技パフォーマンスを低下させ、結果として選手生命を失う場合があります。
◇先輩の声
激しいトレーニングが続くオンシーズンは、生理が止まってしまうことがありました。(アイスホッケー)
◆03 生理はどんな影響があるの?
意識調査によると、生理や生理前には「半分程度しかパフォーマンスが発揮できない」という回答が24%と一番多くありました。痛みや不快感はもちろん、気分の落ち込み、服を汚す不安で集中できないなどの事例があります。
◇先輩の声
並んで滑る時、薄い生地のウェアなので、生理中ということがばれるんじゃないかと心配でした。(ショートトラック)
◆04 生理とどう付き合ったらいいの?
生理がこない、生理痛が辛い場合は、すぐ婦人科を受診しましょう。痛みには鎮痛剤を使うことが一般的ですが、海外では低用量ピルで症状を緩和したり、周期をずらしています。
◇先輩の声
大切な試合などに生理が重ならないよう、試合前はピルを処方してもらっていました。(フィギュアスケート)
◆05 充実してほしいサポートは?
希望するサポートは、(1)生理で休みやすい環境(2)監督・コーチの生理への理解(3)漏れに配慮のあるユニフォームという意見が多数。男性の監督やコーチだと、生理の経験がないため、理解が難しい場合があります。
◇先輩の声
生理を男性のコーチに相談できず、腹痛と説明した。ずる休みと思われたんじゃないかとモヤモヤ。(スピードスケート)
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