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特集「蘭越の生き物図鑑」発刊

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北海道蘭越町

■大表章二さん(蘭越14町内) 図鑑発刊までの過程を振り返って
大表章二さん(蘭越14町内)は御年74歳。平成16年からこれまで日本自然保護会の自然観察指導員として活躍されており、蘭越自然探検隊設立後、地域の方たちと蘭越の自然に親しむ活動を行ってきました。町の自然ガイド役等を務める傍らで蘭越町に生息する数多くの植物・昆虫・鳥類などの脊椎動物を調査・観察し、写真に収め、それを元に自作の図鑑を刊行するまでに至りました。
令和5年2月に発行した写真図鑑「蘭越の脊椎動物」は二千部印刷され、蘭越町及び町内施設、教育機関、花一会図書館などに寄贈されました。

◇始まりは『資料づくり』
図鑑づくりのきっかけは活動の中で行われた自然観察会の資料づくりでした。すべて自身の手で作り上げる資料ということで、現地調査、文献調査、原稿づくり、写真編集など、時に失敗を繰り返し、試行錯誤しながら製作を続けました。数年続ける中で、此度の図鑑づくりを思いつき、自身の確認してきたすべての種を掲載したものを目指して取組みを始めました。

◇手作り図鑑の製作
「全ての種を載せた図鑑づくり、思い返せば随分と野心的な思いつきだった。」と語る大表さん。始めに手がけたのは蘭越の野鳥。当時は1年掛けて1ページずつ増やしていく方法でした。その後、野鳥を含めた脊椎動物、昆虫、野草などの図鑑を手がけ、最後は(公財)北海道新聞野生生物基金の助成を受けながら印刷・製本を業者に依頼し、今回の大部数の冊子を発行するに至りました。
大表さんは動物、植物など様々な図鑑を製作したことにより、同定能力(種を見定める力)が向上したと言います。また、蘭越地域に生息する生き物リストを作ることができ、植物三一〇種、昆虫六二〇種、脊椎動物一四六種、合わせて一〇七六種もの生き物が蘭越に生息していることがわかりました。しかし、これはあくまで自身で発見したものの数であり、蘭越にはまだまだ未発見の生き物がたくさんいると言います。「これからも体力の続く限り、数を増やすため調査を続けていきます。」と大表さんは意気込みます。

◇これまでの出会いに感謝を
図鑑づくりを通じて、大表さんは地域の人たちや専門家の方々と多くの繋がりが出来たと語ります。刊行に際し、助成金のほか、地域の方たちからも寄附を頂き、決して一人の力では発刊に至れなかったと言います。「多くの方の支えにより、ここまで来られた。改めて感謝を伝えたい。」と大表さん。今後は近隣町村の生き物にも視野を広げ、野生生物の調査を続けていくとのことです。
「蘭越の脊椎動物」を含むこれまでの生き物図鑑は花一会図書館等の施設で読むことが出来ますので、お立ち寄りの際は是非ご覧ください。

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