ヨーロッパ連合のコペルニクス気候変動サービスは8月1日、地球の平均海水温が20.96度に達し、1979年からの観測史上最も高い温度であると発表しました。
日本では、気象庁が8月9日に、三陸沖の海水温が記録的に高くなっていることを発表し、水深300メートルにおいても例年より10度高いことを示しました。北海道周辺の海水温は、8月25日に最も温かくなり、稚内の海岸でも24度ありました。これは平年と比べて3度以上高い値です。一般に、魚類が感じる海水温は、1度上昇で人間に例えると10度上昇に相当すると言われています。蘭越の海は、蘭越町貝の館の職員が週に1回の観測を2018年から開始していますが、開始以降初めて、8月9日と26日に26度以上を記録しました(図)。
地球の約7割を占める海の温度は、全体の気候に影響を及ぼします。「観測史上初めての○○」といったフレーズをニュース等で聞くことは多くなって、今までと環境が異なっていることは実感していると思いますが、身近な海でも、同様な傾向が見られつつあります。最近は、ニュース等でも海水温について取り上げられる機会は多いので、注目して見てみましょう。
図:蘭越町貝の館前浜の海水温(2018年5月から2023年8月)。
週に1回の観測データ。
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