豊頃町、新発見
がんばるぞ、地域おこし協力隊
豊頃新聞は、豊頃町へ移住した「地域おこし協力隊」の高橋家の些細な出来事や感動を届けるコーナーです
■強、あご強打し減量
記録会のリレー競走で顎を強打し、1週間咀嚼が満足にできず、3kg減量に成功
■長男、猛追も父に及ばず。夢は来季へ
今年の冬はスケート一色だった髙橋家。今シーズン最後の記録会は、浦幌少年団と合同で2月10日に、町営スケートリンクで行われた。昨年11月下旬に、浦幌町の屋内リンクで始まった練習。父は足元グラグラ、3人の子どもたちは椅子を手にしながらリンクになれるという状態だった。みんなタジタジながらも、初心者だけに伸びしろいっぱい。どんどん滑れるようになるのが面白く夢中になった。初めての練習から1ヶ月ほど経ち、初めてスピードスケートリンクで計測したタイムは次の通りだった。
・優羽(小4) 500m 81秒
・日奈(小1) 500m 134秒
・万奈(年中) 250m 86秒
・強(42) 500m 71秒
正月休みもなく、仕事と勉強とスポーツに明け暮れた冬休みが遠い昔のようで懐かしい。スケートで毎日が忙しくなったのは事実だけど、とてもメリハリのついた冬になったのも事実。日に日に上手くなる子どもたち。そんな子どもたちは、ある事実に気づいてしまう。
「パパは、それほど上手くなっていない…」。42歳という厳しい現実に、抗おうとする父。しかし、腰をどうしても低くすることができない。役場の松崎さんに上達のコツを教えてもらうが、体が覚えてくれない。父が焦れば焦るほど、子どもたちの特に長男のモチベーションは上がってくる。スケートならパパに勝てそうだ!と。ここで長男は勝ちに徹する策を練る。記録会前日には父にではなく、日下貴弘さんに靴を研いでくださいと頼んだのだった。何かにのめり込むことが少なかった優羽にしては珍しい。漫画「ドラゴンボール」で悟空と初めて天下一武闘会で戦った亀仙人の気持ちが、今なら分かる父。全力で臨まなければならない。そして決戦の時がやってきた。レースは500m。浦幌少年団の背戸田朔太郎君と一般男子の中野邦彦さんを含めた4人で滑走することになった。体力に課題を残す父の弱点を、優羽はよく知っている。最初ついて行くことができれば、必ず父はバテると。父もそれは分かっている。スタートダッシュによる序盤のリードをどれだけ守れるかが全てだ。
GO!の号砲とともに飛び出す4選手ら。まずハナを奪ったのは中野さん。ブランクがあると話していた中野さんだったが、流石の豊頃仕込みのスケーター。美しいフォームで他選手をどんどん引き離します。二番手には髙橋父。直線でリードを稼がなければ後がありません。そして長男の優羽、浦幌の朔太郎君が続きます。バックストレートでエネルギーを80%も使い果たした父。ヘロヘロの状態で最終コーナーを通過。父の背中に猛然と詰め寄る優羽。今年勝たないと、もう勝てないことを薄々感じている父は、必死で逃げる…なんとか2着で入線。3秒弱のタイム差で優羽。今年は父の後塵を拝した優羽だが、父の尻尾を捕まえた優羽。来年の髙橋家のスケートチャンピオンは誰の手に?記録会で全員自己ベストで終えた髙橋家。来年の冬も熱くなりそうだ。記録会のタイムは次の通り。
・優羽 500m 64秒88、1000m 2分35秒32
・日奈 250m 49秒34、500m 92秒02
・万奈 250m 59秒61
・強 500m61秒96
■万奈、清水宏保さんを無視
2月3日、明治北海道十勝オーバルで未就学児を対象にしたスケート教室「スケートキングダム」が開催され、年中の万奈が参加した。講師は長野オリンピック金メダリストの清水宏保さん。陸トレからスケートフォームまで教えてもらえる貴重な機会となった。問題になったのは、万奈の態度。途中で集中力が切れてしまったのか、清水先生の教えを聞かずに自由に滑る万奈。それを見ていた優羽と日奈は、自分が教えてもらいたかったと嘆き、人生の理不尽さを学んだ。
■さいごに
移住して約1年が経ちました。間もない頃は祖父母や友人に会えない寂しさをしばしば口にした子どもたちは、新しい友人やスポーツに夢中になり、前向きになりました。
2年目からは、定住に向け生活基盤を整えるために力を注ぎます。10ヶ月という短い期間でしたが、とよころ新聞をご覧いただき、ありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いいたします。
■今後もSNSで情報発信は継続
2024年3月
企画・取材・執筆撮影・デザインイラスト/髙橋強
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