■産業厚生常任委員会レポート
産業厚生常任委員会(岩井明委員長)は、2月6日、町民の生活支援及び町内の商店街の活性化等のため、プレミアム分及び事務処理費用等の全額を町が補助し商工会が発行しているプレミアム付特別商品券の発行状況等について、また5月から11月まで国道38号線沿いで本町の地場産品などを販売し、豊頃町の魅力の発信の場となっている「(通称)とよころ物産直売所」の管理運営状況等について調査を実施しました。
[1]調査の経過と結果
(1)プレミアム付特別商品券の発行状況について
◇プレミアム付特別商品券の発行実績について
令和4年度までのプレミアム付特別商品券の販売方法は、販売セット数の2分の1を65歳以上の方に予約販売し、残りは一般の方に商工会、農協、大津支所の窓口で販売をしていた。令和5年度からは65歳以上の予約販売を廃止し、全ての町民が一律に商工会、農協、大津支所の各窓口又は電話での受付による完全予約制での販売とした。併せて豊頃町の公式LINEでの受付も開始し、購入者の約3割がLINEでの受付により商品券を購入している。
令和元年度からの販売実績については、各年度においてそれぞれに4回に分け販売をしており、令和元年度についてはプレミアム率を20パーセントとして、延べ2,140人が1万5千セット、額面で1億8千万円分購入し使用率は99.61パーセントとなっていた。令和2年度についてはコロナの影響による景気浮揚対策の為、第1弾ではプレミアム率を20パーセント、第2弾及び第3弾のプレミアム率を30パーセント、第4弾のプレミアム率を40パーセントとして販売し、延べ2,640人が1万8,700セット、額面で2億4,660万円分購入し使用率は99.73パーセントとなっていた。令和3年度においても景気浮揚対策としてプレミアム率を第1弾は25パーセント、第2弾から第4弾までは30パーセントとして販売し、延べ2,682人が1万9,400セット、額面で2億5,005万円分購入、使用率は99.73パーセントとなっていた。令和4年度についてはプレミアム率を20パーセントとしたことから、購入者数が前年度から減少し延べ2,490人が1万9,200セット、額面で2億3,040万円分購入し使用率は99.75パーセントとなっていた。令和5年度においては、第1弾から第3弾のプレミアム率を20パーセント、第4弾のプレミアム率を30パーセントとして販売した結果、第4弾の購入者が増加、全体で延べ2,585人が1万9,354セット、額面で2億3,856万円分の購入があった。なお調査時点においては第4弾の商品券の使用期限が3月15日までのため使用実績は出ていない。
◇プレミアム付特別商品券の発行に伴う経済効果について
本事業は、町外への買い物客の流失を抑えることを目的に商工会を中心に実施しており、令和元年度から令和5年度第3弾までの商品券の換金実績が10億6,072万1千円となっていることから、本町の住民の生活支援及び本事業に賛同する商工業者の事業継続の一助となっており、本町の経済効果への影響は大きいことが確認できた。
◇プレミアム付特別商品券の発行等の事務処理について
プレミアム付特別商品券発行事業のうち、商品券の発行や参加加盟店の取りまとめ、使用された商品券の換金事務の帯広信金豊頃支店への依頼、本事業実施に伴う町への補助申請などは商工会が行っている。
◇プレミアム付特別商品券発行等に伴う町の補助について
本事業にかかる町の補助については、商品券の販売価格に上乗せされたプレミアム分と事務経費分の全額である。令和元年度から令和4年度までの補助金の実績は、プレミアム分が1億8,352万7,795円で、事務経費分は1,692万1,550円の総額2億44万9,345円であった。令和5年度(概算申請)は、プレミアム分が4,545万8千円で、事務経費分は756万4千円の総額5,302万2千円の補助を見込んでいた。
(2)物産直売所の管理運営状況について
◇物産直売所の施設等の概要について
現在の物産直売所本体の面積は326.43平方メートルで平成23年度に国の補助金等を活用して総工費2,796万1,500円で建設され、また、ソフトクリームなどを販売しているチャレンジショップ販売施設は39.75平方メートルで平成26年度に912万6千円で建設されている。
◇物産直売所の管理の状況について
物産直売所の施設は町の普通財産で、毎年、町が無償貸借契約を「とよころ物産直売会」と締結し、施設を無償で「とよころ物産直売会」に貸し付けているが、施設の維持管理等については町の責任において行われている。
◇物産直売所の出店者の状況について
物産直売所へは、毎年、町内の様々な業種の個人や事業所等から商品の出店があり、令和5年度においても個人や事業所など40箇所から商品の出店があった。
◇物産直売所での物産の売上等の状況について
物産直売所の営業は、基本的には週3日間(金、土、日曜日)で毎年5月上旬から11月中旬までの期間営業となっており、本町の農産物や水産物などが一番多く集まる9月、10月の売り上げが多くなっている。年間の販売額については、約半年間の営業で毎年2,800万円程度あり、お菓子、水産加工品及び農産物が売り上げの上位となっている。なお、令和5年度の販売額は2,899万151円となっていた。
◇物産直売所の今後のあり方について
とよころ物産直売会設立前から構想のあった道の駅としての通年営業での事業展開については、人員や冬期間の陳列商品の数量確保及び施設の防寒対策など、通年営業に対応することが難しい状況にあるため、当面、現在の営業期間での事業展開を続けることとしている。また、施設管理についても、現在の形態を続けることとし、施設を行政財産とし指定管理者制度の導入などへの移行については、費用対効果の面から現実的でないと考えている。
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