昭和五十九年度から大樹町と合同で始まった豊頃町・大樹町姉妹都市子ども親善使節団派遣事業は、これまで、延べ三八一名を相馬市へ派遣し、各市町の交流を深めてきました。二十回目を数える今年度は、団員二十名(うち豊頃町十名)、引率者六名(うち豊頃町三名)の計二十六名が七月二十六日(金)から七月二十九日(月)の三泊四日で、姉妹都市である相馬市を訪問しました。
■7月26日(1日目)
待ちに待った研修一日目。子ども達は元気にえる夢館に集合し、豊頃町子ども親善使節団結団式を行いました。酒井紀帆さんによる団員代表挨拶後、える夢館を出発。幸福駅で大樹町子ども親善使節団と合流し、合同結団式を行いました。その後、新千歳空港から空路で仙台空港へ。空港から相馬市への移動中、バスの車窓から見える本町では見ることの出来ない、瓦屋根や水田などの景色に子ども達は興味津々の様子でした。相馬市到着後、歓迎式が開催され、相馬市長、市議会副議長をはじめ、関係者の皆様が使節団一行を温かく迎えてくれました。子ども達は、緊張した面持ちでしたが、一人一人しっかりと大きな声で自己紹介できました。
■7月27日(2日目)
研修二日目は、はじめに相馬市の児童と対面式を行いました。グループごとに自己紹介と、自分の町の紹介をし、打ち解けた様子が見られました。豊頃町を代表して、伏見莉玖さんが記念品を受け取りました。
カニ釣り体験では、岩の隙間に餌のついた針金を垂らし、じっと食いつくのを待ちました。カニが釣れると、嬉しそうに友達と見せ合い、時間が経つのがあっという間に感じるほど、のめり込んでいました。昼食時には、松川浦ガイドの会による浜焼き体験を行いました。イカを串に刺すところから体験し、秘伝のタレをかけたイカをおいしそうにほおばっていました。とうもろこしやホタテ、焼きおにぎりなどもいただきとても満足している様子でした。その後のサップ・シーカヤック体験では、最初に軽いレクリエーションを行い、子どもたちの仲をより深めました。ライフセイバーの皆さんがサポートしてくれていたので、子どもたちは安心してボードの上に立ったり、ボードの上から海へ飛び込んだり、思う存分海での体験を楽しむことができました。
一日という短い時間ではありましたが、相馬市児童との交流を通じて夏の相馬市を満喫した子ども達でした。
■7月28日(3日目)
仲良くなった相馬市の子ども達の見送りの中、別れを惜しみながら相馬市を出発しました。宮城県松島町では、国の重要文化財に指定されている五大堂、瑞巌寺を見学し、日本三景と呼ばれている島々の景色を汽船から眺めました。船内でゆったりと景色を眺めながら過ごす子や、気持ちよさそうに波風に当たって過ごす子など、それぞれ自由に遊覧を満喫しました。その後、仙台市に移動し、仙台うみの杜水族館を見学しました。たくさんの魚やクラゲ、ペンギン、アザラシなどを見学したほか、イルカのぬいぐるみくじをしたり、大きなぬいぐるみの抱き枕を買ったり、自分の買い物も堪能しました。イルカのショーでは、前列に座った子は、大迫力のイルカの水かけの演出でずぶ濡れになりましたが、大いに楽しんでいる様子でした。
■7月29日(4日目)
研修四日目は、青葉城跡を見学しました。本丸跡から仙台市内を見渡し、有名な伊達政宗騎馬像を目の当たりにして、子ども達は興味を示していました。その後の自由時間で、おみくじを引いたり、伊達政宗のストラップを購入したり、最後の買い物を楽しみ仙台空港を出発。新千歳空港に到着し、迎えのバスに乗り込むとほっと安堵の表情を見せていました。幸福駅での合同解団式では、四日間一緒に行動した大樹町の仲間との別れを惜しむ姿が見られました。帰町後える夢館で豊頃町子ども親善使節団解団式を行い、金子巧真さんの帰町報告で、無事に三泊四日の日程を終了しました。
今回参加した団員にとって、親元を離れ、見知らぬ土地での研修は、大冒険だったに違いありません。初めて経験することばかりで、不安や緊張もたくさんあったと思います。それらを乗り越え、研修を終えた今、一回り成長した自分に出会えたはずです。さらに、相馬市児童の皆さん、そして一緒に行動した大樹町の仲間との交流を通して、人の心の温もりに触れられたことは、生涯心に残る宝物となったはずです。
結びに、町民の皆様のご理解により、本事業が長きに渡り続けられていることに改めて感謝申し上げ、今後も相馬市との友好が末永く続くことを祈念し、令和六年度姉妹都市相馬市への豊頃町・大樹町姉妹都市子ども親善使節団派遣事業報告とさせていただきます。
※豊頃町子ども親善使節団員・引率者の氏名は本紙に掲載されています。
問合せ:教育委員会社会教育係
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