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あしょろ自然誌 Vol.56

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北海道足寄町

■ハルニレ
ニレ科ニレ属の落葉広葉樹で、春に花を咲かせることからハルニレ(春楡)の名が付けられました。成長すると樹高は30mに達し、開けた場所では枝を大きく広げた扇形の樹形を作ります。豊頃町ではこのような美しい樹形の大木が、有名な写真撮影スポットになっているようです。
ハルニレは日本に広く分布し北海道に多く見られます。主に河川沿いなどの湿潤で土壌の豊かな環境を好みますが、北海道では山腹斜面や尾根筋などの乾いた場所でも見られます。葉の縁はギザギザの重鋸歯(じゅうきょし)、基部は左右が非対称で葉柄に付く位置が上下に食い違う特徴的な形をしています。
春の雪解け間もない4月頃に赤褐色の小さい花を咲かせたのち結実し、5月から8月頃まで種子が散布されます。散布された種子は林縁など明るい環境であればその年の夏、林内などでは翌春、上層木の開葉前の4月頃に発芽します。公園や街路樹でも多く利用されています。あまり目立たない花ですが、春の花の一つとして探してみてはいかがでしょうか。

詳細:九州大学北海道演習林(緒方健人・市橋隆自)
【電話】25-2608

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