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動物化石博物館情報

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北海道足寄町

■どうしてアショロアはいない?
博物館で時々聞かれる質問の一つに、「アショロアやデスモスチルスなどの束柱類はどうしていなくなってしまったのですか?」というものがあります。ある生き物の仲間がいなくなること、つまり『絶滅』の理由を聞かれるわけですが、これは答えが難しい質問です。束柱類に限らず、かつて存在していた生き物の絶滅について古生物学者がよく答えるのは「環境の変化に適応できなかった」というものです。でもこの『答え』は質問にきちんと答えているわけではないのです。きちんと答えるためには、その生物を取り囲む環境がどう変化して、なぜ適応できなかったのかについて説明する必要があるからです。
地球上の生き物の歴史の中では、本当にたくさんの生き物が絶滅してきましたが、実は絶滅の理由がはっきりと分かっている生き物の方が少ないのです。『大量絶滅イベント』と呼ばれる、非常に多くの生き物が一度に絶滅してしまうイベントも何度も繰り返されていますが、この『大量絶滅イベント』に関しても全ての理由がはっきりと分かっているわけではありません。例外の一つが、6600万年前、中生代の白亜紀末に起きた『白亜紀末の大量絶滅』です。小天体がメキシコのユカタン半島に衝突することで、短期間で激的な気候変動が引き起こされ、恐竜や海の大型の爬虫類、アンモナイト、古いタイプの鳥類などが絶滅しました。また、規模は少し小さいですが、古いタイプのクジラであるムカシクジラの仲間は、南極大陸がオーストラリアや南アメリカ大陸から分離することで、海洋環境が大きく変わり、姿を消すことになりました。
では束柱類はなぜいなくなったのか。いくつかのアイデアは提唱されており、ジュゴンなどのカイギュウ類とのエサを巡る競争に敗れた、アシカやアザラシなどの鰭脚類(ききゃくるい)との繁殖場所を巡る争いに敗れた、海水準の変動によるもの、怪しいものはメガロドンなどの巨大なサメのエサになってしまった、などなどありますが、まだ決定打と言えるものはないようです。彼らは「環境の変化に適応できなかった」のです。

◎いまでもアショロアが生きていたら?
※詳細は広報紙17ページの図をご覧ください。

詳細:博物館
【電話】25-9100

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