■高齢になると、さまざまな睡眠障害を生じやすくなります
年齢を重ねることで、眠りの質が低くなったと感じることはありませんか。実は年齢とともに、睡眠は変化します。大きな変化としては、早期覚醒により早寝早起きになることです。これは体内時計の加齢変化によるもので、病気ではありませんのでご安心ください。
もう一つの変化は、眠りのパターンが変わることで睡眠が浅くなってしまうことです。夜間に何度も目が覚めてしまう、といった方は眠りの浅さが関係しているかもしれません。そして年齢だけが理由ではなく、さまざまな睡眠障害が起因し、眠りの質が低くなっている危険性もあります。例えば、前立腺肥大による頻尿や皮膚掻そうようしょう痒症によるかゆみ、うつ傾向や認知症による入眠障害、睡眠時無呼吸症候群など、原因に応じた対処を行うことで改善につながる症状も多くあります。
■良質な睡眠の確保は、健康づくりの第一歩
さまざまな理由から睡眠の質の低下が慢性化することで、肥満・高血圧・2型糖尿病・心疾患や脳血管障害の発症リスクが高まる他、精神障がいの発症リスクも高まるといわれています。そのため、日常的に良質な睡眠を確保することは、心身の健康保持と非常に密接していると言えるでしょう。
「健康日本21(第三次)」では心身の健康保持のため、日常的に質・量ともに十分な睡眠の確保が推奨されています。推奨事項は年齢により異なり、高齢者においては「床上時間が8時間以上にならないこと」「食生活や運動等の生活習慣、寝室の睡眠環境等を見直して、睡眠休養感を高めること」「長い昼寝は夜間の良眠を妨げるため、日中は活動的に過ごすこと」とされており、どれも特別難しいことはなく、すぐにでも取り組める内容となっています。日常的な良眠を得るために、新たに日中活動を始めてみるのも良いかもしれませんね。
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