■愛の鞭(むち)をやめて、子どもを健やかに育みましょう
子育てにおいて、しつけと称して、叩いたり怒鳴ったりすることは、子どもの成長の助けにならないばかりか、悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。以下のポイントを心掛けながら、子どもに向き合いましょう。
◆子育てに体罰や暴言を使わない
一見、体罰や暴言には効果があるように見えますが、叩くことによって得られた子どもの姿は、叩かれた恐怖によって行動した姿です。自分で考えて行動した姿ではありません。
「愛の鞭である」と親が思っても、子どもにとって大人から叩かれることはとても怖いことです。大人が少し叩いただけ、怒鳴っただけだと思うことも、子どもは心に大きなダメージを受けることもあります。
子どもだからといって、暴力や暴言が許されるわけではありません。また、体罰や暴言は「虐待」へとエスカレートする可能性もあります。
「叩かない怒鳴らない」と心に決めましょう。
◆子どもが親に恐怖を持つとSOSを伝えられない
親に恐怖を持った子どもはどのような行動を起こすでしょうか。親に気に入られるように、親の顔色を見て行動するようになります。また、恐怖を持つ親に対しては、子どもが心配事を打ち明けられなくなります。
心配事を相談できないと、いじめや非行など、より大きな問題に発展してしまう可能性もあります。
◆爆発寸前のイライラをクールダウン
子どもが言うことを聞いてくれないときに、イライラすることは誰にでもあること。でも、疲れていたりして、もともと抱えているストレス度が大きいと、子どものちょっとした行動(おもちゃの取り合い、すぐに動かないなど)をきっかけに、イライラが爆発してしまうことがあります。
イライラが爆発する前に、クールダウンするための、自分なりの方法を見つけておきましょう。
※クールダウンの方法→深呼吸する、数を数える、窓を開けて風にあたるなど。
◆親自身がSOSを出そう
育児負担を一人で抱え込まずに、家族に分担してもらったり、市役所などのさまざまな支援サービスの利用も検討しましょう。子育ての苦労について相談することで同じ悩みをもつ友達に出会えるかもしれません。
◆子どもの気持ちと行動を分けて考え、育ちを応援
子どもに「イヤだ!」と言われたとき、親自身が戸惑うこともあるでしょう。でも、2、3歳の子どもの「イヤ」は、自我の芽生えであり、成長の証でもあります。
「どうしたらいいのかな?」と、子どもの考えを引き出し、必要に応じて助け船を出しながら、子どもの言い分を気長に聴きましょう。
「わがままな子になっては困る」という思いから、親は指示的に対応してしまうこともありますが、子どもの成長過程で必ず通る道だからとおおらかに構えて、子どもの意思を後押ししていきましょう。
▽児童虐待相談内容別対応件数
(件)
釧路児童相談所取扱(釧路・根室管内)
◆虐待だとは気付いていないことがあります~ネグレクト(養育の放棄、怠慢)という虐待~
子どもへの虐待と聞くと、叩く、蹴るなどの身体的な虐待を思い浮かべる方が多いと思います。しかし、虐待とはそれだけではなく、子どもの健康・安全への配慮を怠(おこた)ること、例えば、乳幼児を車の中に放置したり、家に残したまま外出したりすることなども児童虐待になります。
「眠っているから」「少しだけ」などと、つい子どものそばを離れてしまいそうになっても、命に関わる危険が潜んでいますので絶対にやめましょう。
◆虐待を見たり聞いたり、もしかして?と思ったら相談窓口にご連絡を
子どもや保護者との関わりの中で「もしかして?」と気付くことは、児童虐待の防止や発見にとても重要です。
「虐待を受けたと思われる子どもがいたら」
「ご自身が出産、子育てに悩んでいたら」
「子育てに悩む保護者がいたら」
・市役所こども支援課【電話】31-4204
・阿寒町行政センター保健福祉課【電話】66-2120
・音別町行政センター保健福祉課【電話】01547-9-5151
・釧路こども家庭支援センター【電話】32-1150
・釧路児童相談所【電話】92-3717
・児童相談所虐待対応(全国共通ダイヤル)【電話】189「いちはやく」
◆オレンジリボン運動~児童虐待を無くしたい、その気持ちを胸に~
児童虐待防止のシンボルであるオレンジ色のリボンを身に着け、子どもたちへの虐待を無くしたいという思いをみんなで共有し、伝えていく運動です。大切な子どもたちの心を救う活動を広げていきましょう。
▽オレンジリボンは、市役所こども支援課、各支所、各行政センター窓口に置いていますので、ご自由にお持ちください。
オレンジリボン運動公式サイト【URL】http://www.orangeribbon.jp/
■令和5年度 虐待防止講演会
「体罰によらない子育てについて~人と人との緩やかなコミュニケーションの接点を求めて~」
日時:11月14日(火)午後1時30分~3時30分
会場:まなぼっと幣舞2階多目的ホール(託児あり)
講師:渡邉 直(わたなべ ただし)氏(千葉県中央児童相談所所長)
申込・問合先:11月9日(木)までに市役所こども支援課へ
【電話】31-4204
問合先:市役所こども支援課
【電話】31-4204
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