子どもが言うことを聞かないからといって、体罰をもって制しようとすることは、子どもの重大な人権侵害になります。また、体罰が繰り返されると、子どもの心身の成長・発達にさまざまな悪影響が生じる可能性があります。
今回は、体罰によらない子どもとの関わり方について紹介します。
◆子どもの気持ちや考えに耳を傾けましょう
相手に自分の気持ちや考えを受け止めてもらえたという体験によって、子どもは気持ちが落ち着いたり、大切にされていると感じたりします。
子どもに問い掛けをしたり、相談をしたりしながら、どうしたらよいかを一緒に考えましょう。
◆「言うことをきかない」にもいろいろあります
保護者の気を引きたい、子どもなりに考えがある、言われていることを子どもが理解できていない、体調が悪いなどさまざまな理由があります。
「イヤだ」というのは、子どもの気持ちです。こうした感情を持つこと自体はいけないことではありません。
重要なことでない場合、今はそれ以上やり合わない…というのも一つの方法です。
◆子どもの成長・発達によっても異なることがあります
子どもの年齢や成長・発達の状況によって、できることとできないことがあります。また、大人に言われていることが理解できないこともあります。子ども自身が困難を抱えているときは、それに応じたケアを考え対応しましょう。
◆子どもの状況に応じて、身の周りの環境を整えてみましょう
子どもが困った行動をする場合、子ども自身も困っていることがあります。
例えば、乳幼児の場合は、危ないものに触れないようにするなど、叱らないでよい環境づくりを心掛けましょう。
◆注意の方向を変えるなど、子どものやる気に働きかけましょう
子どもは、すぐに気持ちを切り替えるのが難しいこともあります。時間的に可能なら待つことも一案です。難しければ、場面を切り替えるなど注意の方向を変えてみても良いでしょう。
子どもが好きなことや楽しく取り組めることなど、子どものやる気が増す方法を意識してみましょう。
◆肯定文でわかりやすく、時には一緒に、お手本に
子どもに伝えるときは、「ここでは歩いてね」など、肯定文で何をすべきかを具体的に、また、穏やかに、近づいて、落ち着いた声で伝えると、子どもに伝わりやすくなります。
「一緒におもちゃを片付けよう」と共に行ったり、やり方を示したり教えたりするのも良いでしょう。
◆良いこと、できていることを具体的に褒めましょう
子どもの良い態度や行動を褒めることは、子どもにとって嬉しいだけでなく、自己肯定感を育むことにもなります。
結果だけではなく、頑張りを認めることや、今できていることに注目して褒めることも大切です。
▽しつけと体罰のちがい
しつけとは、子どもの人格や才能などを伸ばし、自立した社会生活を送れるようにサポートしていくことです。
体罰は、子どもの体や心を傷付ける行為であり、虐待に該当します。
そのためには、体罰ではなく、どうすればよいのかを言葉や見本を示すなど、本人が理解できる方法で伝える必要があります。
▽虐待だとは気付いていないことがあります ~ネグレクト(養育の放棄、怠慢)という虐待~
子どもへの虐待と聞くと、叩く、蹴るなどの身体的な虐待を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、例えば、乳幼児を車の中に放置したり、家に残したまま外出したりすることなども、子どもの健康・安全への配慮を怠(おこた)ることとして児童虐待になります。
「眠っているから」「少しだけ」などと、つい子どものそばを離れてしまいそうになっても、命に関わる危険が潜んでいますので絶対に離れないようにしましょう。
▽虐待を見たり聞いたり、もしかして?と思ったら相談窓口にご連絡を
子どもや保護者との関わりの中で「もしかして?」と気付くことは、児童虐待の防止や発見にとても重要です。
「虐待を受けたと思われる子どもがいたら」
「ご自身が出産、子育てに悩んでいたら」
「子育てに悩む保護者がいたら」
・市役所こども支援課【電話】31-4204
・阿寒町行政センター保健福祉課【電話】66-2120
・音別町行政センター保健福祉課【電話】01547-9-5151
・釧路こども家庭支援センター【電話】32-1150
・釧路児童相談所【電話】92-3717
・児童相談所虐待対応(全国共通ダイヤル)【電話】189「いちはやく」
▽オレンジリボン運動 ~児童虐待を無くしたい、その気持ちを胸に~
児童虐待防止のシンボルであるオレンジ色のリボンを身に着け、子どもたちへの虐待を無くしたいという思いをみんなで共有し、伝えていく運動です。大切な子どもたちの心を救う活動を広げていきましょう。
・オレンジリボンは、市役所こども支援課、各支所、各行政センター窓口に置いていますので、ご自由にお持ちください。
オレンジリボン運動公式サイト
【URL】https://www.orangeribbon.jp/
問合先:市役所こども支援課
【電話】31-4204
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