乳がんは、日本人女性が最も多くかかるがんで、9人に1人がかかるといわれており、患者数は近年増加傾向にあります。
また、乳がんは、40~50歳代の女性の死亡原因の第1位でもあり、とても身近な病気です。10月は、全国で乳がんに関するイベントなどが特に活発になる期間です。乳がんについて一緒に考えてみませんか。
■乳がんってどんな病気?
乳がんは、乳腺組織(母乳を作るところ)にできるがんで、発生や増殖には「エストロゲン」と呼ばれる女性ホルモンが深く関わっていることが知られています。
乳がんの主な症状は、乳房のしこりです。他に、乳房にえくぼやただれができる、左右の乳房の形が非対称になる、乳頭から分泌物が出る、などがあります。
罹患率(病気になる人の割合)は30歳代後半から急増し、60歳代でピークを迎えます。
▽部位別がん罹患率(2019年・女性)
1位 乳房(97,142人)
2位 大腸(67,753人)
3位 肺(42,221人)
4位 胃(38,994人)
5位 子宮(29,136人)
出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)
■音更町の現状
音更町の乳がん標準化死亡比(※)は121・6であり、乳がんの死亡率は国を大きく上回っています。
しかし、音更町の乳がん検診の受診率は、令和5年度で28・6%と、国が目標とする検診受診率60%には程遠く、乳がんで亡くなる人は増えているものの、検診受診率が低い現状にあります。
※標準化死亡比(SMR)は、国の平均を100とし、100以上の場合は国の平均よりも死亡率が高いと判断される。
▽乳がんの年代別罹患率(2019年・人口10万人当たり)
出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)
■早期発見の重要性
乳がんの5年生存率は92・3%、10年生存率は79・3%と、他のがんに比べると予後が良好です。
ただし、病気が進行した状態(他の臓器やリンパ節などに転移・浸潤(しんじゅん)している)で診断された場合は、5年生存率は39・3%まで低下するため、早期発見が非常に重要となります。
▽乳がんになりやすい人
・血縁に乳がんの人がいる
・初潮が11歳以下
・閉経が55歳以上
・初産年齢が30歳以上
・出産経験がない
・授乳経験がない
・飲酒、閉経後の肥満、運動不足などの生活習慣
■ブレスト・アウェアネス
ブレスト・アウェアネスは、「乳房を意識する生活習慣」です。乳がんは早期発見・早期治療により治る可能性の高いがんです。
乳房の状態に日頃から関心を持つことで、乳房の変化を感じたら速やかに医師に相談するという正しい受診行動を身に付けましょう。
▽ブレスト・アウェアネスの4つのポイント
(1)自分の乳房の状態を知る
日頃から自分の乳房の状態を知ることが大切です。入浴やシャワー、着替えの時など、ちょっとした機会に自分の乳房を見て、触って、感じてみましょう。
(2)乳房の変化に気を付ける
・乳房のしこり
・乳房の皮膚のくぼみや引きつれ
・乳頭からの分泌物
・乳頭や乳輪のびらん
・乳房痛 など
(3)変化に気づいたらすぐに医師へ相談する
しこりや引きつれなどに気付いたら、次の検診を待つことなく医療機関を受診しましょう。
(4)40歳になったら2年に1回乳がん検診を受ける
マンモグラフィは、乳房専用のX線撮影です。
プラスチックの板と撮影台に乳房を挟んでレントゲンを撮ります。
→乳房を圧迫する時間は10秒程度です
※音更町にお住まいで、40歳以上の偶数年齢になる女性は、乳がん検診を無料で受けることができます。
詳しくは、次の二次元コードから町ホームページをご確認いただくか、健康推進課にお問い合わせください。
※二次元コードは本紙をご覧ください。
■がん患者のウィッグなどの購入費の一部を助成
町は、がん患者の皆さんの心理的および経済的負担を軽減し、就労継続などの社会参加の支援や療養生活の質の向上を目的として、1人につき2万円を上限にウィッグなどの購入費用の3分の1を助成しています。
対象補整具:
(1)ウィッグ
(2)胸部補整具
※詳しくは、次の二次元コードから町ホームページをご確認いただくか、健康推進課にお問い合わせください。
※二次元コードは本紙をご覧ください。
申込・問合先:保健センター内健康推進課
【電話】42-2712【FAX】42-2713
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