■鷹栖高校生と道北バス
鷹栖町長 谷 寿男
先日、元教育長の宝田庄十郎さんから心温まるお話を伺った。
卓球仲間である道北バスの永野さんが「10線10号発」の運転をした1月に鷹栖高校の生徒が10名余り乗車。一人の男子生徒が近くに来たので冗談で「運転してみるか」と声を掛けると生徒は困った表情で「僕、免許持ってないんで」と言いながらも、話しかけられたのが嬉しかったようで「ありがとうございました」と元気よく降車すると、その後も続いて、生徒が「ありがとうございました」とお礼のあいさつをして降りていき、気分よく仕事ができた様子を教えてくれたという。
宝田さんも「これが大事なんだわー」と破顔一笑し、ちょっとした会話からみんなに広がった「あったかす」の空気に誇らしい表情を浮かべていた。
鷹栖高校と道北バスは関係も深く、バス通学していた卒業生2名がドライバーとして現在活躍しており、昨年12月には小野寺希羅さんが弱冠19歳で路線バス運転手としてデビューし、北海道新聞で大きく報道された。
鷹栖町出身の道北バスの松本神一会長は「運転手で20歳前後は珍しく、大きな戦力になっているし、これからも若い運転手を育てて、地域の足を守っていきたいんだ」と故郷に想いを寄せ、昨年10月には夜間便の復活も含めて増便対応をしていただいた。
「ありがとうございました」の感謝の言葉と気持ちが響きあう道北バスの路線には、多くの人たちの温かい想いがあふれている。
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