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自治体の皆さまへ

(クローズアップ)給食が届くまで

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北海道鹿追町

◆給食が始まったのっていつから?
鹿追町での給食の始まりは、昭和8(1933)年2月と言われています。同6(31)年からの連続的な冷害凶作により、弁当を持たずに登校し、昼食を抜く児童が多くあったためでした。
こうした子どもたちを対象に公費の投入や地域の学校協力会の協力により実施されたのが、学校給食の始まりでした。
昭和12(1937)年末日現在の調べでは、同8(33)年に給食を実施後、給食実施10校、実児童数771人とあります。
こうして冷害凶作に見舞われた農家の、児童生徒の救済の一環として開始されたのが学校給食の始まりでしたが、第二次世界大戦中の食糧難時代には中止されました。昭和22(1947)年には、脱脂粉乳を使ったミルクやスープなど補助給食として、週2回程度から始められています。同29(54)年に「学校給食法」が施行され、体力と体位の向上が図られ、学校給食は教育的効果と位置づけされました。
鹿追町では、通明小学校が昭和23(1948)年に給食実施校に指定を受け、地域の協力で給食を開始。同45(70)年に給食優良校として、文部大臣表彰を受賞しました。

◆学校給食共同調理場 栄養教諭 小川芳美さんに伺いました
・小川 芳美 栄養教諭
(平成30年4月鹿追町赴任)

Q.栄養教諭の仕事を教えてください
鹿追小学校の栄養教諭として勤務しています。給食・食育指導が主な業務内容ですが、なかなか取り組む時間がとれず課題が多いところです。先日、6年生の家庭科の授業を任され、食事の栄養バランスについて学習してもらいました。私自身も今後はもっと積極的にこのような機会をつくり、食事の大切さについて子どもたちに伝えて行こうと思います。

Q.給食の供給先はどこですか
鹿追町内の小・中学校7校と3カ所の地域保育所です。

Q.給食の供給数はどのぐらいになりますか
幼児、児童、生徒と教職員を合わせると約590食になります。

Q.献立のポイント
学校給食の栄養所要量は文部科学省の「学校給食摂取基準」に基づき、1日の必要量のおよそ3分の1、不足しがちなカルシウムなどは3分の2が摂取できるよう作成しています。しかし、子どもたちの摂取状況からは、主食のご飯やパン、野菜のおかずの残量が多く、栄養の偏りが心配されます。なんとか野菜を食べてもらおうと、献立の工夫に毎月悩んでいます。
あまり高価な食材は使えませんが、季節の食べ物や行事献立は取り入れ、その都度給食だよりで紹介するようにしています。また、瓜幕のバイオガスプラントで栽培された野菜をはじめ、鹿追産の野菜や牛肉、黒豚肉などを、JA鹿追さんや農場を営む地元の方々の協力で定期的に使わせて頂いています。加工品ではソーセージやヨーグルトなども年に数回利用しています。

栄養士資格をもつ栄養教諭の役割は、学校における生きた教材となる学校給食を通し、子供たちに食品の選び方、望ましい食習慣を教えることです。
笹川小学校の5、6年生は授業で「自分が昼食献立を立てるとしたら?」を一週間かけて学びました。写真で作った主食、副菜、主菜の食材をプレートに取り、栄養のバランスやそれぞれの量の目安など確認していました。

・調理師のみなさん
「いただきます」の時間に合わせるため、午前中は大忙し。たくさん食べて大きくなってね。

・共同調理場スタッフ
食材の受け入れや調理場の管理運営を行っています。

◆おいしい!ワクワク!給食が届くまで
(午前7時30分)
(1)調理場の朝は、当日の献立に使う食材の受け入れから始まります

(午前8時00分)
(2)当日の献立の調理作業の分担などの最終確認

(3)食材は3回以上洗いカット。同時に別室では、使用する調味料の計量開始

(4)調理開始!今日のメニューは、「ご飯」「赤魚の塩麹焼き」「具材いっぱいのガンモの味噌炒め」「煮干しのお出汁が効いた味噌汁」(具材はしかおいのキャベツとバイオの小松菜)

(午前11時00分)
(5)連携プレーで出来立ての給食をみんなのもとへ運びます

(6)各学校に到着、当番が配膳。上幌内小学校は全校生徒と先生が一緒に「いっただきまーす」をします

◆食材のご寄付
町内の個人、事業所の方々からヨーグルトや牛肉、牛乳など食材のご寄付を頂戴しています。
学校給食の献立メニューとして提供させていただいています。

◆学校給食費全額助成
鹿追町では子育て支援として学校給食費への全額助成を実施。令和元年度から実質無償として学校給食を提供しています。
助成額は、1人につき小学生が年間で48,750円、中学生は58,500円となっています。

◆もうちょっと聞いて 学校給食のこと
鹿追町は、主食、副菜、主菜の全てを献立に盛り込む完全給食で、給食費の額は1食当たり小学生250円、中学生300円で、給食日数の基準は年間195日です。
米飯は月・火・金曜日の週3回、パンは水曜日の週1回、めんは木曜日の週1回の週5日間、町立の小・中学校と地域保育所へ給食を提供しています。

◇アレルギー対応食
アレルギーをお持ちのお子さま一人一人に安全でおいしい給食を提供できるよう、調理場所を分けて混入を防いでいます。牛乳の代わりに豆乳を使うなどアレルギーの原因となる食材を使用しない対応をしています。

◇食中毒予防の徹底
食中毒防止のため中心温度75℃で1分以上加熱し、温度計でしっかりと確認します。野菜は原則加熱調理とし、加熱後は菌の繁殖を防ぐため、冷却器で急速冷却をします。

◇献立表の活用
献立表には、毎日の献立とその食材の他、食器の並べ方や1食当たりの平均栄養量を掲載するなどの隙間活用をしています。
また、「伝えていきたい『和食の基本』」では、季節ごとの行事にまつわる献立や「一汁三菜」を揃えることで栄養バランスに優れた健康的な日本型食生活を過ごすことができる解説などを掲載しています。

栄養教諭や調理師は、あなたの「美味しい」をやりがいに頑張っています。

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