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Lake SHIKARIBETSU しかりべつ湖

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北海道鹿追町

◆『山での過ごし方』
暑さを助長させる蝉の声と秋を感じさせる鈴虫の声とが入り混じる季節になりました。昼は気温が30度近くまで上昇し、さすが夏だなと汗を拭い、全身で照りつける日光を浴びながらカヌーや山歩きに興じます。夜の帷がおりると気温は下がり、長袖一枚羽織りたいくらいに。熱帯夜がないところが、標高の高さを感じます。
コロナ禍の影響もあり人と人が距離を取れる登山など、この数年然別湖の山々は多くの登山者で賑わっています。SNSで自身の登山のログを公開する方もいて、その細かい情報からさらなる登山者を集める形となり、白雲山・天望山・東ヌプカウシヌプリと十勝平野を一望できる山々が人気を集めています。
山からの眺望も人気の一つではありますが、この地域に暮らすエゾナキウサギの存在も人々が集まる理由になっています。野生動物でありながら、比較的岩場という限られた環境に生息し、一度穴から出てくるとしばらく空を眺めながらじっと動かない習性のため、子どもからお年寄りまで目にすることがある程度容易な存在です。
また、見た目も可愛らしく両手のひらに収まる大きさに愛くるしい仕草から多くのファンがいます。
このことから昨今、問題視されてきているのが野生動物との距離。そして、エゾナキウサギの出現を待つ間に人が植物を踏み付けてしまう問題です。エゾナキウサギの住処にはもちろん仕切りも檻もありません。その姿を見つけると興奮のあまりつい近寄り過ぎてしまう方もいらっしゃいます。彼らの出現を待つ間、リュックサックを置いたり、カメラの三脚を長時間設置することで岩場周辺の植物を踏み付けてしまい、植物が枯死してしまう現象が発生しています。エゾナキウサギのことに注目が集まるあまり、他の植物などの生き物の存在が無視されがちに。その岩場に暮らす植物も小さいながらも名前を持ち、ここでは雑草と一括りにされるものはありません。高山を生き抜く大切な存在です。ただ、豪華な花や立派な体躯を持たないだけ。
植物と動物は自然界の連鎖で繋がっています。そのことにも多くの人が意識を向けられたら、人と自然の関係が改善されるのではないでしょうか。
私たち人間が森や湖、山に入る時は想像以上に多くの負荷を与えてしまっています。普段の生活とは違う、自然の中での過ごし方のマナー。心がけてみませんか。ジオパークビジターセンターや然別湖観光案内所でご紹介しています。
お盆を過ぎると秋が始まります。不思議と天候や気温がその日を境に変わるのです。冬支度を始める動物や植物、昆虫に魚たち。「ああ、忙しい忙しい。」という声が聞こえてきそうな活発な活動時期を迎えます。

写真・文:然別湖ネイチャーセンター
【HP】https://www.nature-center.jp

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