SHS(Shikaoi High School)
◆全国から鹿追へ 新たな扉を開いた鹿高
入学者数は昨年比1.4倍、今年度は道外や海外からも入学者があり、卒業生の中には海外への進学者もー。これはどこの学校でもない、鹿追高校のおはなしです。
鹿追高校は「進路多様校」。受験勉強を頑張る生徒、就職に向けて頑張る生徒、海外に目を向ける生徒、模索中の生徒、いろんな生徒たちが七色の未来をその先に見ています。
そして、その未来をサポートするため、鹿追高校はこの数年で、めざましい進化を遂げました。町・教育委員会・町内幼小中学校とタッグを組み、「探究的な学び」「部活動の改革」「学習スペース・ペンギンコロニーの整備」「オンライン公設塾の開設」「1人1台iPadの貸与」など、多岐にわたる支援を展開しています。
そして一昨年度から募集を開始し、昨年度から一期生が入学した大きな改革が、「全国募集」です。これにより、令和6年度は上記のように、全国そして世界から入学者が集まりました。また、全国各地からの生徒を受け入れるため、町としてもさらなるサポートを始めています。
この全国募集によって鹿追高校にはどんな変化が起きたのか、また鹿高生はどんな環境でどのような学びをしているのか。広報しかおいでは、「鹿追高校のイマ」について、皆さまの中の鹿高情報をアップデートすべく、今月号と来月号にわたりご紹介していきます。
◇令和6年度入学者内訳
合計:75人
・北海道
町内24、十勝管内35、その他道内9(札幌6、旭川1、千歳1、占冠1)
・青森1
・群馬・埼玉・千葉3
・長野・岐阜2
・シンガポール1
◆カナダ短期留学や地域みらい留学、さまざまな取り組みがある中で、鹿高の大きな強みは「町や地域の人が温かく迎え入れてくれること」
・鹿追高等学校 校長 中川 修司(Shuji Nakagawa)
今年度、鹿追高校に赴任して、町からの支援の厚さに驚きました。鹿追高校の大きな特色はなんといっても鹿追町の親善大使としての「カナダ短期留学」と「探究的な学び」です。
今や、修学旅行などで海外へ行く学校は多くなりましたが、学年全員がしかも短期留学でホームステイを実施している学校はそうそうありません。
生徒たちと「地域みらい留学」への説明会に何度か参加していますが、鹿追高校に興味を持ってくれた生徒たちもこの「カナダに短期留学できる」という魅力に惹かれている人は多いと思います。
「探究的な学び」では、生徒が自主的に地域の課題を見つけ、それについて学び、実際に解決へ向けた活動へつなげていきます。各業界のプロフェッショナルである「プロボノメンター」からアドバイスをもらって探究を進めていくのですが、町内の方々にも多くプロボノメンターとして携わっていただいたりと、さまざまな形で、鹿追高校への支援にご協力をいただいています。
また、町外から鹿追高校を選択した生徒が増加した要因として、生活の環境が整っていることが大きいです。鹿追高校には、寮があり、シェアハウスがあり、通学費の助成があり、何かあれば相談できる町の大人がたくさんいる。今年は、寮生のためにボランティアの方々が何度も温かい食事を提供してくださいました。お礼の言葉しかありません。保護者の方の目線に立っても、子どもを送り出す環境として大変魅力的だと思います。
こうした町全体が温かく迎え入れてくださる環境は、長年ストニィプレイン町との交流や、瓜幕の山村留学を経て、培われてきた鹿追町の大きな魅力であり凄いところだと感じています。生徒たちには、そういった温かい支援をいただいた経験を経て、巡り巡って「地域のため」という思いを身につけてくれれば嬉しいです。
最近では「地域みらい留学」がクローズアップされることが増えましたが、鹿追の教育の根幹は幼小中高の一貫した学びにあります。今、鹿追中学校と瓜幕中学校では、バカロレアの認定に向けて取り組んでいますが、こうした探究的な学びがさらに発展させられるような高校を目指しています。地元の子どもたちにとっても、さまざまな地域から来た子どもたちと鹿追高校で学ぶという縁から、教育や部活だけではなく日常生活を共に過ごすことで、色んなことを学び、社会に出るための力を養ってほしいです。
前任の俵谷俊彦校長先生が、「鹿追高校は町の最高学府」と位置づけ、さまざまな学びを発展させてこられました。ひとりひとり個性を大事に育て、ゆくゆくは町が発展するパワー源となる、そういった高校になればと思っています。
町民の皆さまには、今後も生徒がいきいきと活動している姿に注目いただけたら嬉しいです。
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