◆寮だけじゃない、もうひとつの暮らしのカタチ。自立生活型「Penguin House」
「ただいまー。あ、いい匂い」と声が聞こえてきたのは、緑町2丁目にある自立生活型シェアハウス「ペンギンハウス」です。ここでは1棟に3人ずつが入居し、合計12人の生徒が共同生活を送っています。
ペンギンハウスには、食事棟があり、調理員の加納浩子さんの美味しいごはんが月曜日から土曜日の朝晩に提供されています。併せて同じ敷地内に居住するハウスマスターの和田陽輝さんが生徒たちの生活をサポートしています。
全国募集を開始したことにより、学区外の生徒たちの受入体制を整えるために整備されたこのシェアハウス。元来、都道府県立の公立高校はその都道府県に在住していないと受験することができません(一部例外有)。
そこで鹿追高校がまなざしを向けたのが、「地域みらい留学」という制度でした。この制度は、日本各地にある魅力的な130校を超える公立高校の中から、住んでいる都道府県の枠を超えて、自分の興味関心にあった学校を選択し、高校3年間をその地域で過ごす国内進学プログラムです。この制度により、全国各地から鹿追町で学びたい生徒が集まりました。
「みんなはどこから来たの?」とシェアハウスの生徒たちに尋ねると、「札幌」「青森」「岐阜」とさまざな地域が飛び出します。「何で鹿追のことを知ったの?」との問いには、「ネット」「テレビで見た」との答えが。中には、「過去に親が鹿追で働いていた」「いとこが瓜幕の山村留学をしていた」という生徒や「瓜幕の山村留学で鹿追町に在住し、一度は地元に戻ったが、鹿追高校に戻ってきた」なんていう声も。
鹿追高校のPRはさまざまな媒体で行われていますが、「町の魅力や人の温かさが新たな人を呼ぶ」という連鎖も起きていました。
シェアハウスの生徒たちは基本的に、自分たちのことは自分で行うことになっています。食事の用意や後片付け、リビングやお風呂、玄関の共用スペースの清掃や冬場は施設周辺の除雪も行います。自立した生活と居住者が互いに協力する気持ちが共同生活のカギ。中には部活動とアルバイトを掛け持ちしている生徒もいて、町内の飲食店や介護老人保健施設もみじの里などで働いています。
「鹿追での生活はどう?」と尋ねると、「忙しいけれど充実している」と答えが返ってきました。生徒たちは思い思いにそして懸命に鹿追での目まぐるしい生活を満喫していました。
「食事棟は22時に閉めるんですが、基本的にギリギリまでみんな食事棟にいておしゃべりしていますね」と話す和田さん。世間がハロウィンだったこの日は、食後のテーブルにおやつが並び、今日あった出来事を話したり、みんなで踊ったりとペンギンハウスからは楽しそうな声があふれていたのでした。
◆ようこそ、鹿追で学びたいキミへ 新たな高校寮「Penguin Dormitory」
・鹿追高校(西町1丁目)
・鹿砦寮(緑町4丁目)令和7年4月から新高校寮へ統合
・シェアハウス(緑町2丁目)
・福世館(栄町2丁目)
・鹿追高校寮「Penguin Dormitory」(元町4丁目)
※地図は本紙をご覧ください。
◇いよいよ令和7年度4月から供用開始!鹿追高校寮「Penguin Dormitory」
鹿追町元町4丁目12番地
全40部屋(男子20部屋・女子20部屋)
生活居住棟(4棟)、食堂・交流棟、ハウスマスター棟、物置・駐輪場 ほか
詳細については、建物が完成次第、改めて広報しかおいにてご紹介します!
全国募集を開始してから、鹿追高校には町外から多くの入学生が増えました。これまで町外生徒は男子寮「鹿砦寮」、女子寮「福世館」、令和6年度からはシェアハウス「ペンギンハウス」にそれぞれ入居していましたが、次年度以降、現在の寮では部屋数の不足が見込まれています。こうしたことから、増加する町外入学者への受入体制を整備するため、令和7年度4月から供用を開始する、新たな高校寮「ペンギンドミトリー」を現在建設中です。また、これに伴い、男子寮「鹿砦寮」は新たな高校寮に統合されることになりました。
ペンギンドミトリーは、鹿追高校の南西方向、柏木区児童公園に隣接した位置に建設予定。食堂・交流棟を中心に据え、生徒が生活する居住棟4棟が各2棟ずつ左右につながる形で建設されます。各棟には個室10部屋のほか、シャワー室、トイレ、簡易キッチンが備えられ、冷蔵庫や洗濯機が配置される予定です。あわせて月曜日から土曜日までの朝晩に食事が提供され、隣接するハウスマスター棟には管理者1人が常駐します。建物は令和7年2月頃に完成予定です。
次月号も「鹿追高校のイマ」についてご紹介します。ぜひご覧ください。
問い合わせ:教育委員会 学校教育課
【電話】66・2646
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