◆極寒を楽しむ
寒さがピークを迎える2月。最低気温がマイナス30度を下回る日もあり、北海道の凍れる大地を思う存分身体で感じることができます。
まつ毛もひげも吐息で真っ白な霜が付き、その見た目から寒さが伝わります。あまりの寒さが作り出す現象に然別湖を訪れる観光客の皆さんはかえって楽しんでいる様子。駐車した車の窓には芸術的な霜が模様を作り、周囲にはフロストフラワーが現れ、結晶は微かな風にそよいでいます。
最近では、コップに入れた熱湯を空へ向かってまくと一瞬で湯気は凍り昇華する「湯花火」という実験のような遊びが人気で、冷え込んだ朝方に湯花火を試してみる楽しそうな声が聞こえてきます。思いっきり腕を回し湯を飛ばすのが成功のコツなのですが、躊躇してしまうとお湯を頭から被る羽目になったりで、現象の華やかさと、勇気の見せ方が楽しいのかもしれません。気温がマイナス20度以下になれば見られますので、皆さんも今冬に挑戦してはいかがでしょうか。こういった日は運が良ければ、ダイヤモンドダストにサンピラーとまれな現象も見られます。このキラキラとした光景は、絵本やおとぎ話の世界みたいです。
湯花火やまれな極寒での現象が現れる気温の中では、外気に触れている肌は寒いを通り越して「痛い」という感覚であろうに、どの人も楽しさワクワクが勝って寒さなんてどこへやら。
そして、この寒さを利用して楽しんでいる代表格が『しかりべつ湖コタン』です。イベント会場に作られたイグルーという、氷で作られたドーム型の建築は極寒がなければ作れない構造です。北海道でも有数の寒さを誇る然別湖だからこその冬のお祭り。イグルーの規模も北海道一の大きさです。
この寒さが作り出す冬の別世界に出逢うため人々は、この湖を訪れているのでしょう。しっかりと温かい服装で皆さんも『極寒』を遊び尽くしてみませんか。
写真・文:然別湖ネイチャーセンター
【URL】https://www.nature-center.jp
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