◆新年のご挨拶
新年あけましておめでとうございます。町民の皆さまにおかれましては、輝かしい新春を健やかにお迎えのことと心からお喜び申し上げます。また、日頃からまちづくりのさまざまな分野でご支援ご協力を賜り心からお礼を申し上げます。
昨年は、元日の能登半島地震をはじめとして、各地で自然災害が頻発しました。被災者の方々に心からお見舞いを申し上げると共に、一日も早い復興をお祈りいたします。
昨年10月の衆議院選挙の結果、少数与党による政権運営となり、また、アメリカ大統領選挙の結果などから、国内外の政治は極めて流動的な要素が多く、地方自治体への影響も懸念されるところであります。
さて、基幹産業の農業ですが、年間をとおして天候にも恵まれ、作柄も概ね平年並みとなるなど堅調に推移し、令和6年の農業生産額は、260億円を超えて史上最高を記録する見込みとなりました。生産資材の高止まり、先行きの不透明さなど、厳しい経営環境にありますが、生産者はもとより、JAをはじめとする関係者のご努力に対し深く敬意を表する次第でございます。
昨年の町のできごとを振り返りますと、本町を舞台に撮影が行われました映画「おしゃべりな写真館」が、2月の帯広での劇場公開を皮切りに、全国の主要都市で上映となりました。観覧者数も述べ1万5千人を突破したと聞いております。今後も、道内市町村でのキャラバン上映を計画しているとのことであり、本町の魅力発信の一助となり、大変ありがたいことであります。
3月にはNPO法人かしわのもりによる「れんがの家デイサービス事業」が始まり、隣接するカフェもオープンしました。誰もが気軽に集い、つながる場所として大きな期待を寄せているところであります。
同じく3月には、上幌内保育所が、季節保育、通年保育通算して60年間の歴史に惜しまれつつも幕を閉じました。幼児教育、保育活動に励んできた輝かしい歴史と伝統は、途絶えることなく今後も地域の皆さまの心の中に残り続けるものと確信しています。
5月には、姉妹都市であるカナダ・ストニィプレイン町のファーマーズデイに招待され、5年ぶりの訪問となりました。今年予定されている姉妹提携40周年に向けた交流事業について、意見交換を行ったところであります。
教育の面では、鹿追・瓜幕中学校において、国際バカロレア(IB)の指定を目指し、探究教育の充実などの取り組みを進めています。また、鹿追高校につきましては、全国募集等の成果が徐々に表れ、昨年4月には75人の新入生を迎えることができました。シェアハウスや学生寮の整備を進め、将来にわたって2間口が確保できるよう全力を尽くしてまいります。
環境保全センター・バイオガスプラントにおいては、新たなエネルギー創出の取組みとして、「グリーンLPガス」や「ギ酸」製造の試験・実証事業が順次行われています。社会実装への成果が期待されるところであります。
9月には、民間事業者との共同出資により地域エネルギー会社を設立しました。新会社の名称を町民の皆さまからご応募いただき、選考の結果「鹿追未来エネルギー株式会社」に決定しました。クリーンな電気を、公共施設はもとより、民間企業やご家庭でご利用いただけるよう努力してまいります。また、公共施設のZEB改修や瓜幕自然体験留学センターの改築に向けて準備を進めると共に、町民向けの脱炭素設備導入の支援を継続してまいります。
コロナ禍を経て、人々の往来も以前に戻りつつあります。道の駅の再整備や休業している然別湖畔ホテルの再開など、関係機関と連携して課題の解決に取り組んでいく所存です。商工業関係では、物価高や深刻化する人手不足、事業承継への対応などが課題となっております。商工会と連携を密にして、できる限りの支援を行ってまいります。
現在、町では、町総合計画の重点プロジェクトの一つである「空き家」の実態把握を進めています。この調査結果を踏まえて、空き家の有効活用による定住人口の増加、地域の活性化に取り組んでまいります。
国の補正予算に基づく経済対策も引き続き行われる見込みです。町といたしましても、町民生活への影響を軽減すべく、国の交付金を活用して、物価高騰対策を実施してまいります。
今年の干支の「乙巳(きのとみ)」は、成長と結実の年になるといわれています。これまでの努力や準備が実を結び始め、勢いを増していくことを願い、町といたしましても住みよいまちづくりに向けて、歩みを進めてまいります。
どうか本年が町民の皆さまにとりまして、実り多く素晴らしい年となりますよう、心からご祈念申し上げ、新年のご挨拶といたします。
鹿追町長 喜井 知己
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