◇勉強はどうですか?
河上:これが結構苦戦しているところで、下宿して1人だと勉強しなきゃ、自制しなきゃ、と思う反面、なかなか勉強に取り組めない時もあるので、オンライン公設塾(SOC)やペンギンコロニーを活用しています。
德間:僕もSOCやペンギンコロニーは本当にいいと思います。テスト期間はペンギンコロニーが満員になっていますね。
鈴木:SOCでは、チューターという講師の方々から勉強を教わっています。皆さん有名大学の人たちばかりなので、すごく頼りになります。
ペンギンコロニーは、2部屋あるんです。静かに集中したい人向けの部屋もあるんですよ。
長沢:僕は自宅で勉強しています。1人の方がはかどります。
瓜幕に住んでいるので、バスを結構利用しているのですが、拓殖バスで町内を移動するときに、町内の小中高校生は町の助成があって100円でバスに乗れるんです。
相馬:バス料金も高校生にとっては高額なのでありがたいです。
勉強環境も、人やシチュエーションによって色々選べるのがいいところだと思います。
河上:ペンギンコロニーに差し入れをしてくれる方々もいて、それが本当に助かっています(笑)
鈴木:ひとり1台iPadを貸してくれているのもすごいよね。
河上:授業はタブレットなしには成り立たない感じです。おうちに忘れてきたら…。
全員:終わりです(笑)
河上:その日は諦めて一生懸命、ノートに書き写します。忘れ物とタブレットの充電に気をつける癖が付きました(笑)
◇道外からの生徒さんが増えて起きた変化はありますか?
鈴木:文化が違うのも話のネタになったりします。新しい友達が出来るというのが自分にとって本当に大きくて。僕は小中高とほとんど同じ友達と進学してきたんですが、メンバーが替わるというのは全然考えていなかった。高校でそういった環境に慣れたという経験や、色んな人がいるっていうことが知れて良かったです。
長沢:自分では意識してなかったけれど、先生から「色んな人と関わっているね」と声をかけられるようになりました。
河上:言葉の違いもおもしろいよね。イントネーションとか。
文化の違いといえば、今年、グローバルユース国連大使として、カンボジアとフィリピンに約1週間ずつ訪問しました。現地では、向こうの同世代の人たちと国際問題について学んだり、解決に向けたディスカッションやプレゼンテーションを行いました。
普段からALTの先生とたくさん交流したり、海外の方が高校に来てくださる機会が多かったので、ネイティブの人とお話するときにおじけづかない気持ちが身についた気がします。また、その経験がカナダの短期留学に活きた気がします。
○Penguin colony(ペンギンコロニー)andオンライン公設塾SOC(Shikaoi Online Commons)
放課後、鹿高生たちが続々と町民ホールの一角に集まってきます。ここは通称「ペンギンコロニー」。
令和3年度からスタートしたオンライン公設塾の参加者を対象とした専用の勉強スペースです。生徒たちは午前9時から午後9時30分までの時間帯であれば、いつでも好きな時間に使用することができます。
オンライン公設塾には、1人1台ずつ町から貸与されているタブレットから、バーチャル上の教室にログインします。生徒はアバターになってこの仮想の教室に入ります。アバターを動かして誰かに近づくと話ができるようになります。この仮想の教室には、平日の午後7時30分から午後9時30分まで、「チューター」という14人の家庭教師が常駐しています。チューターはいずれも北海道大学や慶應義塾大学などの難関大学の講師や生徒さんで、鹿高生に勉強を教えてくれています。生徒の月謝は無料。町が全て負担しています。時間内であれば必ずチューターが待機しているので、いつでも質問することができます。また、令和4年度からは、中学校から高校へのスムーズな接続を目指して町内の中学校3年生から入塾が可能となりました。
○鹿追になぜペンギン?
「ペンギンコロニー」「ペンギンハウス」「ペンギンドミトリー」。町内には、ペンギンと名の付く施設がいくつかあります。集団で行動するペンギンの群れの中から、天敵がいるかもしれない海へ、魚を求めて最初に飛びこむ1羽のペンギンのことを「ファーストペンギン」と呼ぶことから、その勇敢なペンギンのように、チャレンジ精神豊富な生徒になって欲しいと願いが込められているのです。
ペンギンコロニーは、帯広市や音更町など町外からバスで通う生徒たちが待ち時間に勉強する場所としても活用されています
○町内子ども地方路線 バス利用助成
地域公共交通の活性化と、子どもの各種活動の参加機会の創出を目的とした助成制度。対象となるのは、鹿追町内在住の小中高生または、在学する小中高生。北海道拓殖バス運行路線で、町内で乗車し、町内で降車する場合に一律100円で乗車ができる。保護者からの申請後、助成券を交付(1度の申請につき、上限100枚)。
詳細は右記QRからご覧ください。
※QRコードは本紙をご覧ください。
問合せ:企画課 企画係
(【電話】66・4032)
○グローバルユース国連大使
日本青年会議所主催。全国の中学1年生〜高校2年生の中から30人が公募選抜で選ばれ、オンラインや国内、海外で研修し、世界の抱える問題について学ぶ若者育成プログラム。鹿高からは3年連続で生徒が選抜されている。今年度は河上瑞実さんが選抜された。
○第27次 鹿追高校生 カナダ短期留学派遣事業
令和6年10月4日〜10月18日までの15日間の日程で、姉妹都市であるストニィプレイン町を訪れ、ホームステイを行った。今年は、例年交流のあるメモリアルコンポジット高校での体験授業のほか、「ウエストビュー・スクール」といった日本での義務教育のような学校、そしてアルバータ大学への訪問も行われた。
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