町民の皆さま、あけましておめでとうございます。
令和6年の年頭にあたり、鹿部町の更なる発展と町民皆さまのご健勝とご多幸を心からお祈り申し上げます。
さて、昨年はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表が3大会ぶり3度目の世界一となりました。代表に選出された本町出身の伊藤大投手(北海道日本ハムファイターズ)の胸のすく投球、そして、新庄剛志監督からの開幕投手への指名には、世界各地の紛争や地球規模で発生する自然災害など、目を覆う深刻なニュースばかりで閉塞状態となっていた私たちに、心揺さぶる感動と立ち向かう勇気、希望の光を与えてくれました。
本町でも、小学4年女子走り幅跳びで全道一位となった松本凜花さんをはじめ、陸上や絵画などさまざまな分野での活躍も大変うれしく、誇りに思うところです。
そして、本年は何といっても、63番目の北海道遺産で、全国で唯一、道の駅にある間歇泉「しかべ間歇泉」が大正13年の発見から100年という記念の年であります。
しかべ間歇泉は、本町の吉建設(株)社長の祖先にあたる方が掘り当て、当時から陸奥館や鶴の湯として多くの人に親しまれるなど、近隣住民総出でその温泉井を守り続けてきました。平成30年には、その貴重さと観光や地域活性化などに活用している点が評価され、見事、北海道遺産に選定されました。
本町といたしましては、令和6年をしかべ間歇泉発見100年のアニバーサリーイヤーとして、催しなどの実施を考えております。町民みんなでお祝いするとともに、今後もこの貴重な北海道、そして鹿部町の宝である間歇泉が広く皆さまに親しまれるよう、我々の誇りとして、これからも未来の笑顔のために町民みんなで守り抜いていく決意を示して参りたいと考えております。
その間歇泉を有する道の駅しかべ間歇泉公園は、年間来場者が40万人を超え、まさに地方と都市の交流・観光拠点となっております。また、水産物や加工品の返礼品を中心とした「ふるさとしかべ応援寄附金」は、昨年12月20日時点で9億1千万円を超える寄附を賜っています。
これからは、いかに道の駅に来てくださっているファンの皆さまに道の駅以外の商店などで楽しんでいただくか、また、いかにご寄附いただいたファンの皆さまに、鹿部に遊びに来ていただくかが課題であります。
その先には、鹿部に住んでいただくこと、住み続けていただくことが最終目的ともなりますので、教育・子育て、高齢者福祉、医療体制、住環境、働く場所などの充実や支援制度もしっかりと可能なものから整備して参ります。
令和5年度の執行方針でも述べさせていただきました繁栄する都市の3つの条件
1つ目は、イノベーション
2つ目は、多様性
3つ目は、寛容性
自分とは違うさまざまな方々を受け入れられる寛容性がある所には、多様性が生まれ、多様性が生まれると、はじめてイノベーションが起こります。そして、このイノベーションこそが繁栄の鍵となります。つまり繁栄するには、新たな価値を生み、変わり続けなければなりません。革新や変革には、必ずリスクやコストがつきものです。しかし、それを乗り越えなければ、繁栄や成長はありません。
本町では、これまでも地域の価値を再認識し、食で職を守り、創るというA級グルメの概念のもと、山村活性化支援交付金事業や地域おこし協力隊、地域力創造アドバイザー、地域活性化起業人、地域雇用活性化推進事業など、農林水産省や総務省、厚生労働省の制度を活用しながら、地域おこし協力隊制度ではこれまで4名の方に定住いただきました。他の事業・制度では、ビジョンの作成や商品開発、セミナー開催、ネット環境による販売体制の構築など、皆さまのご協力のもと、勇気をもち、中長期的視点に立って、未来の笑顔のために一歩一歩、各施策を進めております。
首都圏での人材確保やPRを目的に参画していたにっぽんA級(永久)グルメのまち連合に関しましては、その役割を新しい組織に委ねることとし、更なる高みを目指すために発展的解散となりました。今後は、A級グルメの理念や施策を近隣市町との連携のうえ、鹿部町産業連携ビジョンに基づき、尚一層の充実を図り、地域循環型経済を構築し、地域経済の好循環を創出して参ります。
令和6年度における施策や予算につきましては、新年度の執行方針等でお示しいたしますが、令和5年3月に策定しました鹿部町再生可能エネルギー導入計画は、地球温暖化対策に加え、町の魅力向上や地域課題解決に寄与することを目指した計画となっております。世界に誇れる高品質で持続可能な漁業のまち、豊富な温泉資源を最大限活用したまち、豊かな自然と調和した安全で住みよいまちをビジョンとして導出し、漁業のスマート化、ブルーカーボンの創出、陸上養殖の発展、多角化、温泉宿・観光業の発展、再エネ導入などを軸にさまざまな事業をロードマップおよび実行計画に沿った形で進めて参ります。
そのほか、デジタルや福祉もまちづくりのど真ん中に置き、稼げる地域として健全な財政運営のもと、スポーツや文化支援の充実、減災対策の強化を図り、日本一魅力ある漁師町、日本一行ってみたい、住んでみたい漁師町を目指していきます。町民の皆さまと力を合わせ、オール鹿部で立ち向かい、この町に暮らす誰もが支え合う昔ながらの「共生(ともい)き」の精神で、各世代が安心して暮らせるともい「地域共生型社会」を築き上げ、あたたかくてぬくもりのあるまちを目指して参ります。
結びに、町民皆さま方の益々のご活躍を心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶といたします。
令和6年元日
鹿部町長 盛田 昌彦
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