■年頭挨拶
黒松内町長 鎌田満
明けましておめでとうございます。
令和6年の新春を皆様と共にお迎えできますことを心からお喜び申し上げます。
平素より、町政の推進に格別なる御支援、御協力を賜り、心から御礼を申し上げます。
昨年5月の新型コロナの「5類」移行後、ようやくコロナ禍前の日常を取り戻し始めたところでしたが、年末に季節性インフルエンザの感染拡大により町内小中学校の学校閉鎖が相次ぎました。年末年始は買い物や会食、帰省など人との接触機会が増える時期ですので、引き続き体調管理にお気を付けください。
さて、昨年の本町で最も大きな話題と言えば、「プロ野球ドラフト会議」で、星槎道都大学4年生滝田一希(かずき)君が広島東洋カープから3位指名を受け、本町出身者としては初のプロ野球選手が誕生したことです。これまで「健康とスポーツの町」として取り組んできたことが素晴らしい形になって表れ、大変喜ばしい限りです。滝田君には自身の信条である『名もない雑草にも陽は当たる』という初心を忘れず、厳しいプロの世界で活躍することを期待しています。
また、同じく本町出身の東洋大学2年生宮下朝陽(あさひ)君が、日米大学野球選手権大会の日本代表に選出され、また弟の北海高校2年生宮下温人(はると)君が夏の甲子園に出場するなど、明るい話題で町内を沸かせてくれました。
一方、私達の生活は、ウクライナ情勢や世界的な原材料価格の上昇などによる物価高騰のため、引き続き、厳しい状況に置かれています。そのため、本町では国から交付される臨時交付金を活用した非課税世帯に対する7万円の現金給付を始め、本年も様々な物価高騰対策に取り組んでまいります。また、今後もしっかりと国の動向を見極め、町民の皆さんの生活に直結する施策を行ってまいります。
本町の人口は、昨年11月末時点で2,578人となり、人口減少と高齢化が更に進んだ状況にあります。このことからも、人口減少を最小限に抑えながら、地域の活力を維持していくことが重要であり、本年も自家住宅建築等の奨励金や外国人労働者の雇用促進による定住人口の増加の取組に加え、若者の定住を促進するための各種施策を実施していきます。また、マンパワー不足の解消にも有効な地域おこし協力隊員等の方が10名となり、農業・観光・教育等の分野で活躍されています。こうした地域づくりの実践者の活動がもっと広がるよう、更なる増員を目指します。
昨夏は本町においても記録的な暑さとなり、町民の皆さんにおかれましても大変な御苦労をされたことと思います。今夏からは、町内の公共施設を猛暑からの一時避難場所となるクーリングシェルターとして運営するほか、まずは小中学校へのエアコン設置を急ピッチで進めてまいります。また、懸案であった旧国保病院の解体にも着手する予定でおります。
昨年は、西予市(旧野村町)と姉妹市町提携を結んでから30年を迎えた記念の年で、「ふるさと納税の推進による相互理解の促進」や「相互の記念事業への積極的参加」などの共同宣言を行い、今後も末永い交流を続けていくことを誓い合いました。
「ふるさと納税」は、順調に寄附額が増加していましたが、昨年10月の制度改正や昨今の物価高騰などの影響で、寄附額の総額は昨年度並みとなる見込みです。寄附の概ね半額は町の貴重な自主財源となりますので、今後も本町を応援してくださる方が一層増えるよう、関係者間で連携して取り組んでまいります。
トワ・ヴェールの「くろまつないのゴーダ(長期熟成)」が昨年のワールドチーズアワードで銀賞を受賞しました。指定管理者の株式会社フジタコーポレーションとは昨年12月に包括連携協定も締結し、今後もより魅力的な特産品の開発・販売に努めていただきたいと思っております。
観光・交流分野では、昨年1月に株式会社キャンパーズアンドアングラーズと包括連携協定を締結し、オートキャンプ場ル・ピックやブナセンター、道の駅といった交流施設の今後の運営方法を検討しているところです。また、観光協会においては、インバウンド対応やアドベンチャートラベルを更に推進するため、地域活性化起業人制度を活用し、本年4月から大手航空会社の関連企業から職員を派遣してもらえるよう協議しているところです。
ビーフ天国は、4年振りに開催することができました。本年も役場裏駐車場を会場に、7月27日(土)の開催を予定し、実行委員会において内容の検討を進めていきます。
JR函館本線長万部・小樽間のバス転換に向けた協議は、利便性と速達性の確保に重点を置いて現在も続けていますが、新年度においては地域の公共交通を維持するために近隣町村と一緒に課題である運転手確保の取組に注力してまいります。
昨年3月、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けた具体的な取組をスタートさせるため、「マイナス・カーボンシティ」を宣言しました。本年3月までには、目標の設定も含め総合的に施策を推進するための実行計画を策定します。
合わせて、月越地区で進められている民間事業者による風力開発を支援し、本町における再生可能エネルギーの活用を推進してまいります。
高齢化・過疎化が進展する中で、都市との経済的・社会的格差を是正し、本町が持続可能な地域となるための「デジタル化の促進」といった『今の時代に必要な施策』についても積極果敢に取り組んでまいります。
早いもので私が町長に就任してから11回目の新年を迎え、3期目の任期も残すところ1年余りとなりました。本年は3期目の集大成として、今後のまちづくりの道しるべを明確にし、町政運営の信条とする「町民が主役のまちづくり」を、今後も変わらず進めていくため、第四次総合計画を基本とし、直面する課題に正面から向き合い、町民・事業者との協働の下、これまで以上に日々精進し黒松内町をより良いまちにしていこう、そのように心新たにしております。
新しい年が町民の皆様にとりまして、明るく幸多い年となりますよう願い、新年の御挨拶といたします。
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