■全国に広まった千葉の海苔
◇千葉の海苔養殖の歴史
千葉県における海苔作りは江戸時代後半ごろ、江戸四谷の海苔商人近江屋甚兵衛(おうみやじんべえ)が広めました。甚兵衛は海苔の生産地拡大のため、県内各地の村人に勧めるも断られてしまいましたが、人見村(現在の君津市)の人々は甚兵衛の提案を受け入れ、ついに県内での海苔養殖に成功しました。
◇全国に広まった「奈良輪」スサビノリ
海苔養殖は1960年代まで、自然に付着する海苔を栽培する天然採苗で、品種はアサクサノリが主流でした。やがて海苔の生態が解明され人工採苗が可能になると、より病害に強く、板海苔にすると黒くて艶があるスサビノリが広く栽培されるようになりました。
1965年ごろ、生育が早く、大きく成長するスサビノリの品種が現在の袖ケ浦市奈良輪で発見されました。ナラワスサビノリと名付けられたこの海苔の系統が、現在、全国の養殖海苔の9割以上を占めると言われています。
千葉県産海苔は今では、「色良し・味良し・香り良し」の「江戸前ちば海苔」として高い評価を得ています。12月は新海苔のシーズン。歴史に思いをはせながら、千葉県産海苔を味わってみませんか。
問合せ:
県教育庁文化財課【電話】043-223-4082
県立中央博物館【電話】043-265-3111
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