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千葉県誕生150周年記念 知事鼎談(ていだん)

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千葉県

■狂言師 野村 萬斎(のむら まんさい)さん
プロフィール:

■邦楽囃子(はやし)方 望月 太左乃(もちづき たさの)(佐野友紀)さん
プロフィール:

※この鼎談は、1月14日に青葉の森公園芸術文化ホール(千葉市)で行われた公演「千葉県誕生150周年記念 野村万作(まんさく)・萬斎・裕基(ゆうき) 青葉の森狂言の会~狂言三代~」の後に行いました。

■千葉県での思い出
知事:本日は、縁起のいい演目を披露していただき、ありがとうございました。
萬斎さんは、石川県立音楽堂の邦楽監督もされているということで、今回の震災にお見舞いを申し上げます。

萬斎さん:私の先祖が石川県出身で、前田家のお抱えの狂言師でした。石川県でお目にかかった多くの人々が被災されているので心配です。

知事:我々も今、県を挙げて支援をしており、少しでもお役に立てればと思っています。
まず、萬斎さんへ伺いたいのですが、千葉県の印象や思い出などはありますか。

萬斎さん:そうですね、車の免許を取ってまず訪ねたのが千葉県の海でした。今から40年ぐらい前で、ほとんど下道ばかりで犬吠埼(いぬぼうさき)までものすごく遠くて(笑)また、波乗りをちょっとかじっていたので、外房へ波乗りに行ったりしました。内房と外房も違うし、山もあるし…3つの側面があるのかしら…?

知事:おっしゃるとおり、三方を海で囲まれていて、内房と外房では波が全く違うのが千葉の魅力の一つですね。
この組み立て式の能楽堂は演じられていかがでしたか。

萬斎さん:屋根まであって、床もひのき舞台で、能狂言を見るのにはちゃんとした空間になっていますね。これも何十年か前に造られたと思いますが、我々が演じる無形文化財や、舞台という有形文化財は、使って、見て、聞いていただかないと意味がない世界ですので、本当にありがたいです。

太左乃さん:青葉の能舞台で萬斎さんの公演をとのお話があり、ご縁をつなぎご快諾いただきました。

知事:少しでも多くの人にご覧いただける企画を作りたいと思いますので、また機会があれば、ぜひお願いします。

■お二人の出会いと伝統芸能について
知事:太左乃さんは、萬斎さんとは長いお付き合いと伺いました。

太左乃さん:10代の時に東京藝(げい)術大学で副科として先生に狂言のお稽古をしていただき、大学院卒業時には論文指導も受けました。狂言の授業はとても楽しく、専攻楽器の邦楽囃子についても「何を考えて芸をしているのか」などと質問をされることも多く、視野をより広げていただきました。

萬斎さん:僕が知りたいから聞くわけです。そうすると彼女がまた自覚的になる。僕らの能狂言と彼女の歌舞伎音楽と、時代は違えど一種伝統芸能というのは知恵の集積でもありますから、お互いのジャンルを知るための鏡のような気がしています。

知事:新型コロナの流行では、文化芸術は大きな影響を受けたと思います。

萬斎さん:思い出してもちょっと異様な時間でしたね。芸術不要論みたいなものもあったし。でも700年近い伝統の中で、大戦や震災、疫病などいろんな時代を乗り越えて、今、我々が受け継いでいると思うと、一種の復興に対する自信と余裕が持てました。

知事:太左乃さんはそういった伝統芸能が受け継いでいくものと、変わっていくものについて、どうお考えですか。

太左乃さん:今はテレビや街中でも和楽器の音色を聞くことが減ったと思います。そのためか逆に今、若い世代の人は新しいものとして捉えてくれるので、古典も広めつつ、誰でも知っている童謡や今はやりの曲を和楽器にアレンジしたりしてお客さんに寄り添っていくのも大事かなと思い普及活動をしています。

萬斎さん:能狂言という古くからあるアプリをどうアップデートしていくかですよね。その機能自体を変えたら元も子もない。例えば「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」という漫画作品を能狂言でやり大変好評を得ました。衣装を漫画に寄せないといけないけど、全部まねすると2.5次元舞台と変わらなくなってしまう。お能ならどこまでまねするか?というところを判断しながら、今までなかった令和版の能狂言を作っています。

■千葉県誕生150周年の節目に
知事:そうですね、(アップデートをしていく中で)千葉県も150周年の節目を迎えましたが、未来に向けたアドバイスをいただけますか?

萬斎さん:どんなに時代が変わっても人間はそれほど変わらないです。今日も狂言をご覧いただいて、皆さん700年前と同じことで笑っている。変わらないことに対して素直に認めるべきですし、変わって良くなることはその恩恵にあずかるべきだと思います。

知事:太左乃さんはいかがでしょうか。

太左乃さん:この舞台のように人が集まる空間、文化の種をまける土壌があってほしいです。人が豊かに生きるためには芸術が必要だと思います。

知事:ありがとうございます。50年後、お二人ともここでまだ演じているかもしれませんよ。

萬斎さん:私はもうダメだね(笑)

太左乃さん:いやいや、先生なら大丈夫ですよ。

知事:ぜひ、県誕生200周年の時に「150周年でもやったんだけどね」って言っていただけると大変ありがたいです。その時は親子4代公演かもしれません。

萬斎さん:精進いたします。

太左乃さん:千葉県の文化振興のために精一杯努めてまいります。

知事:我々もしっかり文化を受け継いで、千葉県らしさも含めて残していきたいと思っています。ありがとうございました。

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