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ひとこと185

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千葉県いすみ市

■太東埼灯台にのぼって
いすみ市長 太田洋
今年のゴルデンウィークは、数年ぶりに万木城まつり、太東埼燈台まつりが開催され、コロナ前の賑やかな日々が戻ってきたように感じます。子供たちの明るい笑顔を見ると、やはり嬉しく思います。
太東埼灯台と言えば、小学生の頃の遠足は歩いて灯台まで登り、草木をかき分けて海を眺めたことを思い出します。当時、聞いた話によると、沖は太東根と言って、大きな怪魚が棲んでいて人を寄せつけず、その魚の背中にはたくさんのアワビがついていたそうです。
太東埼灯台から景色を眺めましたが、北はかすかに九十九里浜が、南は大原八幡岬が見え、その間を夷隅川がゆっくりと流れる風景は、昔と変わらず懐かしい景色でした。昔は、西の方、遥か遠く富士山が見えていたことを思い出しました。現在は灯台が移り、山の木々が茂っているため見えず、残念に思います。
そう言えば、中学生の頃は、灯台の下、海の近くの海浜植物群落の清掃に通ったものです。太東海浜植物群落は、現在放送されている、NHK朝ドラ「らんまん」の主人公のモデルとなった牧野富太郎博士も訪れ、大正9年に日本で最初の国指定天然記念物に指定されました。清掃にいく度に、先生から植物の名前やその大切さを教えてもらったことを思い出します。行き帰りの道では和泉の農家の人達が畑の手入れをしていて、春はキャベツ、夏はスイカ、キュウリなどの野菜を作っていて、青々とした畑の景色をよく覚えています。夏は、道を通ると農家の人がスイカやマクワウリをくれたりして、友達とわいわい言いながら食べたことは懐かしい思い出です。
時代は昭和から平成、そして令和となり、農作業を行う人も少なく、畑も減少し雑然としていて、なんとなく寂しい気持ちもします。先人の築いたいすみの大地、これをもう一度何とか青々とした大地にできないものかと、太東埼灯台から景色を眺めながら感じました。

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