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〔特集〕スギ活用プロジェクトが動きはじめています ~いすみのスギが学習机に~

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千葉県いすみ市

市内で伐採されたスギで作られた学習机が、今年度より東小学校と古沢小学校に初めて導入されました。市と市教育委員会、市商工会による取組により、4月に入学した両校の新1年生18名がこのスギの学習机を使って毎日勉強しています。
環境破壊による地球温暖化や気候変動などさまざまな環境問題に対し今できる取組の一つとして、放置されたスギを生かす「スギ活用プロジェクト」という新たな取組がはじまっています。

■停電予防伐採を活用
市内には木々が生い茂る豊かな里山がありますが、中には放置され荒廃している山林も多くあります。2019年には台風15号、19号が千葉県に相次いで上陸し、倒木による停電が市内各所で発生しました。停電が長期にわたり解消されず、被害は甚大なものとなりました。市ではその後、倒木による停電を防ぐため、予防伐採の取組を進めていますが、切り出されたスギは使い道がなく、処分もまた課題となっていました。
スギは、やわらかく加工しにくいため、家具などへの利活用が困難で、スギ材を加工するためには、圧縮して強度を高めることが必要でした。市内外の企業が連携し、試行錯誤の末、予防伐採されたいすみのスギが学習机に生まれ変わりました。

■東小学校で課外授業
東小学校でスギの学習机を使う1年生6人を前に、「SDGs(持続可能な開発目標)」をテーマとした課外授業が行われました。
これまで使い道がなく廃棄されていたスギの木が学習机になるまでの過程を児童に説明し、多くの人がこのスギの机の製作に関わっていること、多くの人の思いが詰まっていることをお話ししてくれました。児童たちは授業を聞いて「大切に使います」と2人の講師に感謝の気持ちを伝えました。

■地域資源や地球環境を考えるきっかけに
この取組は、荒廃した里山を再生させるだけでなく、児童たちがいすみのスギで作られた学習机を1年生から6年生になるまで毎日使うことで、地域にある資源を再認識し、地球の環境問題にも目を向けるきっかけとなることが期待されます。

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