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いすみのひと Interview

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千葉県いすみ市

■『五氣里』トップシェフ 木村藍さん
▽プロフィール
・1981年生まれ いすみ市岬町嘉谷出身
・大学卒業後、会社員時代を経て、料理人の世界へ。
2012年 池袋でフランス料理店『シュヴァル・ドゥ・ヒョータン』オープン
2022年 いすみ大使に就任
2023年 農林水産省料理人顕彰制度「料理人マスターズ」ブロンズ賞を受賞
2024年 下布施のラグジュアリーリゾート『五氣里-itsukiri-』トップシェフに就任

いすみ市出身で東京でシェフとして活躍されていた木村さん。今年4月いすみ市にUターンし、下布施にあるラグジュアリーリゾート『五氣里』のトップシェフに就任されました。いすみ市やいすみ市周辺の食材を使って、地域の魅力を伝える料理をお客様へ提供しています。いすみ大使でもある木村さんにお話を伺いました。

▽生産者さんと一緒に作業しながら過ごした時間が財産です
Q.食材を仕入れるため、生産者の方のところに直接足を運ばれているそうですね。
料理人は、食材ありきなので、もっと食材を理解することも私たちの仕事だと思っています。いすみ市には、豊かな自然があり、第1次産業に従事している素晴らしい方がたくさんいらっしゃるのを知りました。それから直接生産者さんのところに足を運ぶようになりました。
漁に同行させてもらったり、エビ網のお掃除を手伝ったり、畑で一緒に作業したりしました。みんなで手を動かしながら話す時間の中で、季節とともに変わる海藻のことや見たことない魚のことなど、今まで知らなかったことを教えてもらうことが多く、私にとってはその情報こそが財産です。食材の注文は、効率だけ考えたらファックス1枚、メール1通で済んでしまいますが、直接生産者さんの元を訪ねて一緒に作業させてもらいながら食材を選ぶのはとても楽しいです。

▽1ミリでもおいしいものを作るための「思いやり」
Q.木村さんが、料理をする上で大切にしていることは何ですか?
もちろん基本的な技術や経験はありますが、一定レベルまで行けば、料理は思いやりの積み重ねです。
例えば、食材に合わせて適切な塩分量を毎回量ったり、ゆでた食材は氷水につけたままにせず、粗熱をとったらやさしく拭いてあげたりと丁寧に扱うことを心がけています。野菜もできるだけおいしいものをお出ししたいので、少し大変ですが、採りたての野菜をいただくために、何度も農家さんの畑に足を運んでいます。でもそれは難しいことではなく、すごいことは何もしていません。
私は他の方より料理人のスタートが遅いので、今でも焦っています。何か自分は足りない気がしているので、1ミリでもおいしいものを作るためだったら「もうちょっと丁寧に」を積み重ねています。私よりすごい技術を持った人や、きれいな料理を作る人はたくさんいらっしゃって、そういう方々に比べたら全然及ばないというのはよくわかっています。今、自分にできることは何だろうと考えると、1番の強みはもちろん生産者の皆様とのつながり。そしていすみ市のこの自然豊かな食材が身近にあること。さらに、もうひとつあるとしたら、とにかくあるものに丁寧に向き合い、丁寧に料理するという「思いやり」だけです。

▽「おいしい」で地域と人がつながったらうれしいです
おいしい料理をお出しできれば、お客様の方から食材のことや料理のことなど興味を持って聞いてくれます。おいしいというのは単純なことだけれど、大事なことなのだと実感します。
地域の魅力は、住んでいる人にとっては当たり前すぎてわからなくなってしまいますよね。「こんなところ、どこがいいの?」と思っている地元の方も多いと思います。いすみには素晴らしい生産者さんがいて、素晴らしい自然があります。おこがましいですが、地元の方に、もっと自信を持ってほしいです。そのために、私はお客様においしいと思ってもらえる料理を作り、いすみ市の食材を使った料理が、地域と人をつなげるきっかけになればうれしいです。

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