■いすみ市長 太田洋
市民の皆様には、令和7年の新春をお元気でお迎えのこととお慶び申し上げます。昨年、当地域では幸い大きな災害は無かったものの、全国的には地震、豪雨の被害があった年でした。また、世界の各地で戦争や紛争が収まらず、加えて、物価高による生活や企業活動の困難さの多い年でした。国政も選挙で勢力図が変わり、協調の時代に入ってきました。
今、国内外ともに困難な時代を迎えていますが、市政の運営にあたっては、市民生活の安心と地域経済を持続させることを第一に、進むべき道を開いてまいります。そのためには、人口減少を食い止める対策が重要なテーマであります。先人の築いた文化、伝統、産業が未来に向けて光り輝くよう全力で市政に取り組んでまいります。
今年、いすみ市は市制施行20周年を迎えます。合併時は厳しい財政状況の中での出発でしたが、議会、市民の皆様のご協力で、今では市独自の施策ができるまでになりました。ご協力に心から感謝申し上げます。引き続き、子どもから大人まで、安心と幸せを体いっぱいに受け、住み続けられるまちと、若い人が戻ってきたくなるまちの実現に、全力で取り組んでまいります。
市政運営にあたっては、今を生きる市民の幸せと、未来に生きる子ども達のためのまちづくりと、地域経済を守ることを目標に実施してまいります。そのために、特に、県とのパイプを強固なものにし、政策がしっかりと実現するよう信頼関係を築いてまいります。これまでの成果として、(1)長生、夷隅、鴨川までの高規格道路「茂原・一宮・大原道路」「鴨川・大原道路」の整備について令和6年度を整備スタートの年にすると知事が語ったこと、(2)県事業の苅谷新田野バイパスの内、弥正から佐室までの5.1kmの測量、用地買収が始まること、(3)県が所有するトンボの沼の再整備のための実施設計が始まること、(4)津波に備えて、日在から大原漁港までの間に津波防潮堤を築くための海岸づくり会議を県が始めたこと、(5)各地区で県道の改良が進められていることなどがあげられます。
一方、令和7年度の市政運営にあたっては、市制施行20周年を迎えることから、再度、原点に立ち返って、市民生活を守り、地域経済の発展を目指し、市民目線に立って運営してまいります。施策の方向として、
(1)環境の変化が進む中、果たすべき役割のひとつとして「ゼロカーボンシティ」宣言をすること
(2)新しい夷隅庁舎を弥正地区に建設し、移転後、現在の庁舎の解体を行うこと
(3)大原公民館棟の改修に伴い、市の中心となる市立図書館を整備すること
(4)令和8年開催の国民スポーツ大会関東ブロック大会開催などにあわせて老朽化したホッケー場やクラブハウスの再整備を行うこと
(5)福祉、介護、医療、地域交通を充実すること、特に医療センターの充実を進めること
(6)結婚、妊娠、出産、子育て世代から働く世代や高齢者が安心して暮らせるいすみ市をつくることと、人口減少に歯止めをかけること
(7)地震、災害対策に万全を期すこと
(8)道路、排水、舗装工事を行い、住みやすいいすみ市を実現すること
(9)農業、水産業、商工業を支え、発展させるための支援を継続的に実施すること
(10)教育、文化、芸術、スポーツの振興を図ること、特に学力の向上と文化講演会に力を入れること
(11)観光振興に向けて2市2町が共同して取り組み、訪れる人を拡大することと、大原漁港内に観光トイレを設置すること
(12)新たな仕事づくりへの支援と未来のため、立地を生かした産業を誘致し、働く場と税収を確保すること
などを中心に、施策を実施してまいります。
このことで、人口減少に歯止めをかけ、地域の活力を維持し、安心と幸せを体いっぱいに受け、住み続けられるいすみ市の実現と若い人が戻ってきたくなるいすみ市の実現に努めてまいります。
以上、新年の所信を申し上げましたが、引き続き、議会、市民の皆様の声を大切にして、全力で努力してまいります。
今年が市民の皆様にとりまして実り多い年でありますことをご祈念申し上げ、新年のご挨拶といたします。
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