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ふるさとあの日あの時間 The History vol.92

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千葉県九十九里町

七五三のお祝いが近くなりました。この行事について、昭和三十年代前半に子どもだった私が耳にした、近所のおばさんたちの会話を思い出しました。
「あすこらげでヒモトキだっつでんよ(あそこの家では紐解きだそうですね)」
「そあさ。こないだ、まれたと思っただけんがねぇ(そうですよ。この間生まれたと思っていたのですがねぇ)」
『九十九里町誌下巻』に元町誌編集委員長の木島里八先生が、「九十九里町の方言」として「今年わこん近所んなヒボトキわねーだっぺ(今年はこの近所には紐解きはないでしょう)」と、紹介されています。
また、同書に元編集委員故永田征子先生が、「紐解」についての一連の行事内容、「七つだんご・かごもち・宮参り・紐解きの祝宴・紐解きの儀式・初どまり・はたらき」を解説されています。
私は平成10年(一九九七)、親類の町内真亀岡(まがめおか)山本正義家(屋号アラチ)で行われた正博、洋子夫妻の総領(長男)の祝宴に出席しました。会場は白子の民宿を借り切って、結婚披露宴同様の大宴会。祝宴のお開きの合図が、「オヤマヒキ」(御山曳き)。白米で蓬莱山(御山)を象(かたど)り、それに松竹梅と鶴亀の飾り物をしたお盆を、唄を歌いながら子供が曳いていき宴(うたげ)が終了しました。
古くから伝わる儀式を後世に伝えていきたいものです。
(九十九里町文化財審議会委員 齊藤 功)

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