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ふるさとあの日あの時間 The History vol.94

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千葉県九十九里町

新年あけましておめでとうございます。町の元旦はご来光を拝む人々が押し寄せて賑わいます。私もこうして一年が始まります。朝日が海面から昇ってくる神々しさは、格別です。大網白里出身の日本代表する篆刻家石井雙石は、この光景を「まばゆい光線はまるで金色の龍が波を払ってくるようだ」と表現し、また雙石と交遊のあった茂原の医師で漢詩人の佐久間峻齋先生は、「遙か彼方から押し寄せる大波は、山のようで、崩れないうちにまたひと山やって来る」と描写しています。
神社に参拝してお節を頂きながら賀状を手にするのは元日の楽しみです。種々趣向を凝らした賀状を見ますとその方のお顔が浮かんで参ります。
『九十九里町誌』の関係でお目にかかり、木島里八先生や元いわし博物館館長の田村敬氏と同様に親しくして頂いた片貝の古川幸男氏からは、毎年揚繰(アグリ)網漁を撮影した素晴らしい賀状を頂きました。「網場の夜明け」と題されたこの写真を気に入ってます。古川氏の穏やかな表情をしたお顔を思い出します。今年こそ病魔退散・無病息災を祈り、片貝海水浴場の恩人中西月華の句「町は皆鰯に生きてお正月」(『濱菅』)の通りですから一心に「浜大漁」を祈願致しましょう。以前のように町の冬の風物詩セグロの目刺しを沢山食べたいものです。
(九十九里町文化財審議会委員 齊藤 功)

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