東千葉メディカルセンターコラム
「肝胆膵領域がんの治療について」
外科 久保木 知
皆さま、こんにちは。昨年4月より東千葉メディカルセンターの外科部長として働いております、久保木知と申します。どうぞよろしくお願いいたします。当院外科は胃・大腸・肝胆膵領域がんに対する高難度手術のみならず腹腔鏡による低侵襲手術にも対応しておりますので、どのような病態の患者さんでもご相談ください。
私は肝胆膵外科を専門として約20年、千葉大学病院で研鑽を積み、高難度な治療が必要な進行肝胆膵領域がんの治療にあたってきましたので、今回のコラムでは肝胆膵領域がんの治療についてお話します。
肝臓がん・膵がん・胆道がんなどは悪性度が高く有効な治療が乏しいとお思いの方も多いですが、最近の外科手技の進歩と抗がん剤の開発により、手術・抗がん剤・重粒子などの放射線治療を組み合わせた、いわゆる集学的治療を行うことで肝胆膵領域がんの予後は改善しつつあります。根治手術が唯一の長期生存のチャンスですが、手術だけでは不十分なことが多く、抗がん剤と組み合わせることが必要です。膵がんでは術前に切除可能と判断しても6週間の術前化学療法を施行後に根治手術を行い、その後に6カ月間の抗がん剤内服を追加することで再発率を著明に低下させることができます。胆道がんでは最近、患者さん自身のがんに対する免疫力をサポートする抗がん剤が登場しており、既存の抗がん剤と組み合わせる治療法が用いられます。肝細胞がんでも新しい抗がん剤が次々に開発され、がん免疫に対する抗がん剤などを組み合わせることで手術不能の進行がんも根治切除を目指すことができます。
このように肝胆膵領域がんは高難度な手術が必要であるのみならず、専門的な集学的治療戦略が重要となります。当院では肝胆膵疾患を専門とした外科医・内科医が揃っており、進行肝胆膵領域がんに対しても積極的に集学的治療を導入することで根治手術を目指しております。身近な当施設で適切な治療を提供可能であり、患者さんの予後改善に貢献できると考えております。
問い合わせ:東千葉メディカルセンター
【電話】50-1199
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