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東千葉メディカルセンター

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千葉県九十九里町

■東千葉メディカルセンターコラム
『たかが「脂肪肝」、されど「脂肪肝」』

消化器内科副部長
亀崎 秀宏

近年、肝臓病でも頻度が高かったウイルス性肝疾患(特にB型肝炎やC型肝炎)の治療方法は進歩し、高い可能性で肝臓病から命を守ることができる時代となりました。しかし、肝臓は沈黙の臓器と呼ばれ、肝臓病は病状が進行して、肝硬変や肝臓がんに進行して、疲れやすい、顔色が悪い、お腹が張ったなどといった進行した症状で初めて肝臓病が見つかるひとも少なくありません。最近、特に生活習慣病を基盤とするいわゆる「脂肪肝」などが進行して肝硬変や肝臓がんに至ることも増えており、注意が必要です。検診受診者を対象とした2001年の調査では「脂肪肝」の人の割合は18%であったのに対して、2009年~2010年での調査では29.7%と急増していることが分かっています。
「脂肪肝」の原因として注意が必要なのは、「肥満」と「アルコール」です。「肥満」への取り組みとして7%~の減量をお勧めします。7%~の体重減少により、肝臓の細胞・組織の状態が改善されることがわかっています。60kgの人は4kg~、70kgの人は5kg~、85kgの人は6kg~、100kgの人は7kg~を目標に減量をお勧めします。
「アルコール」への取り組みとして、まずは適量を知ることからお勧めします。アルコール摂取量の上限は、エタノール換算で男性30g/日未満、女性20g/日未満とされています。具体的にはビールだと500cc、酎ハイだと350cc、日本酒だと1合、焼酎だと1合弱、ワインだと200cc(グラス2杯弱)、ウイスキーだとダブル1杯、当然いずれか1つしか飲めません!(男性の場合はこれらの1.5倍になります。)
血液検査の項目には、AST(GOT)、ALT(GPT)、γGTP(GGT)などがあります。肝細胞が傷つくと細胞内のAST、ALTなどが漏れ出して、血管内に移行して数値が上昇します。特に『ALT』は他の臓器にあまり含まれていないため、その血液中の高さは肝障害を反映します。医療機関、検診施設によっては基準値にバラツキがありますが、「ALT」が30を超えていた場合、まずかかりつけ医などを受診することをお勧めします。かかりつけ医による採血や腹部超音波検査などを受け、必要と判断されれば、さらに消化器内科におけるより詳しい検査を受けることで、肝疾患の早期発見・早期治療に繋がります。

問い合わせ:東千葉メディカルセンター
【電話】50-1199

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