■「知っているようで知らない!?~糖尿病の話~」
代謝・内分泌内科 副部長 石川崇広
▽糖尿病って?
皆さんは、「糖尿病は太った人の病気」というイメージがありませんか?糖尿病は必ずしも太った人だけが発症する病気ではありません。血糖値を下げるホルモンである「インスリン」の量が不足したり、インスリンが十分に働かなくなることが原因で発症します。
▽糖尿病は何が怖いの?
糖尿病は怖い病気です。初期は自覚症状がほとんどありません。進行すると、喉の渇きや頻尿、体重減少などが出ますが、その時にはかなりの高血糖になっています。症状が現れるのも非常にゆっくりで、本人も気がつきにくいです。
また、高血糖状態が何年も続くことで、知らず知らずのうちに合併症が進行します。糖尿病が原因での失明や人工透析、足の切断の話を皆さんもどこかで聞いたことがあるかもしれません。糖尿病はこのような3大合併症(網膜症・腎症・神経障害)の他に、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化も進行します。このことから糖尿病は「サイレントキラー=沈黙の殺人者」とも呼ばれています。
▽糖尿病は予防が重要!
糖尿病は予防が何よりも重要です。また、糖尿病と診断されても、適切な食事・運動療法を行い、定期的に医療機関へ通院することで、合併症の発症や進行を予防できます。当センターでは3カ月に1回程度、「糖尿病教室」を開催し、治療や予防・療養に役立つ講演会を実施しています。気軽にご参加ください。
▽新しい合併症?糖尿病とフレイル
皆さんはフレイルという言葉を聞いたことがありますか?フレイルとは、「加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能など)が低下して、心身が脆弱になった状態」と定義されています。一方でフレイルは、適切な介入や支援により生活機能の維持や向上が可能な状態でもあり、早期発見と正しい治療や予防がとても重要です。
近年、糖尿病患者さんはそうでない人と比べて、フレイルをきたしやすいことが分かってきました。フレイルは糖尿病の新しい合併症とも言えるかもしれません。当科では現在、地域の皆さんが「健“幸”長寿」でいられるよう、高齢患者さんのフレイルや糖尿病合併症の評価や介入を行う、新しい外来を設立すべく準備を行っています。これからも、地域の皆さんの健康や幸せを目指した診療を進めていきたいと思います。
問い合わせ:知らせ東千葉メディカルセンター
【電話】50-1199
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