今回は、気候変動を少しでも抑えるために重要な、地球温暖化の主な原因となる二酸化炭素(CO2)排出を削減する「緩和」の取組をご紹介します。
■できることから始めよう…
私たちの衣食住をはじめとするライフスタイルと気候変動への影響には、密接な関わりがあります。普段の家計消費に関連して排出されるCO2などの温室効果ガスは、国全体の約6割を占めています。気候危機を乗り越えるためには、市民や地域が消費のあり方を見直し、日々の生活の中で、CO2排出の削減を意識する必要があります。
◆カーボンフットプリントとは?
社会で消費される製品やサービスの資源採掘、素材、生産、製品組立、輸送、使用、廃棄までに排出されるCO2のこと(単位はkgCO2e)をいいます。1人が1年間に排出する量は、平均7600kgCO2eであり、世界の努力目標である「平均気温上昇1.5℃未満」を達成するためには、これを2030年までに3000kgCO2e程度に抑える必要があります。日々の生活の中で、一つ一つ、暮らしを脱炭素化する行動を選択していくことが重要です。
▽実践例
1人1年あたりのカーボンフットプリント最大削減効果(kgCO2e/人/年)
住居:
・1030 自宅に太陽光パネル設置
・80 自宅の電球をLEDに
食事:
・130 バランスの取れた食事に
・60 食品ロスをゼロに移動
移動:
・220 マイカーを電気自動車に
・120 エコドライブを行う
レジャー:
・280 レジャーをアウトドアや地域で
◆市の取り組み
▽公共施設や設備の省エネルギー化、クリーンエネルギーの導入
・学校設備のLED照明の導入、空調設備等の省エネルギー改修
・太陽光パネルの設置(白銀小学校、夢咲くら館など)
・電気自動車の導入
▽住宅用設備等脱炭素化促進事業補助金
家庭での地球温暖化対策を推進するため、窓の断熱改修等の住宅用省エネ設備に対し、補助金を交付します。詳細は市HPをご覧ください。
◆ゼロカーボンに取り組む事業者の声
DIC総合研究所
CO2排出量を98%以上削減
私達は、2023年4月から水力、風力、地熱、バイオマス、太陽光といった自然エネルギーにより発電され、環境負荷の小さい「グリーン電力」を導入しました。これにより、研究所内のCO2排出量の98%以上を削減できました。今後はCO2排出量削減だけでなく、省エネ設備の導入等により、全体のエネルギー使用量も削減していきます。
■今回のまとめ
佐倉市は2050年までにゼロカーボン(二酸化炭素の実質排出ゼロ)を目指すことを宣言しています。目標に向けて、市や企業だけでなく、皆で日々の生活の中、エネルギーの節約や再利用、持続可能なライフスタイルの選択など、できることから取り組みましょう。
出典:グラフ・イラストは、
・Ryu Koide, Satoshi Kojima, Keisuke Nansai, Michael Lettenmeier, Kenji Asakawa, Chen Liu, Shinsuke Murakami(2021) Exploring Carbon Footprint Reduction Pathways through Urban Lifestyle Changes: A Practical Approach Applied to Japanese Cities. Environmental Research Letters. 16 084001
・小出瑠・小嶋公史・南齋規介・Michael Lettenmeier・浅川賢司・劉晨・村上進亮(2021)「国内52都市における脱炭素型ライフスタイルの選択肢:カーボンフットプリントと削減効果データブック」
※次回1月1日号では、「自然災害分野での気候変動適応」に関する情報をご紹介します。
※詳しくは、本紙をご覧ください。
問合せ:気候変動対策準備室(企画政策課)
【電話】484-3374
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