■佐倉市は、全ての小・中学校で自校式給食を行っています
子どもたちの学校生活の楽しみの一つ、給食。佐倉市は、各校に配置された栄養士・栄養教諭が献立を考案して、特色ある給食を提供する「自校式給食」を市内全小・中学校で実施しています。
自校式給食は、温かくおいしい給食をすぐに提供できること以外にも、佐倉っ子たちの成長に大きく貢献しています。
■ひと味違う佐倉の自校式給食!
自校式給食は、「各学校で給食を作るだけ」と思っていませんか?栄養士・栄養教諭が常勤して献立を考え、それぞれの学校ごとに給食を作ることには、センター式の給食とは違ったさまざまなメリットがあります!
◆佐倉市の自校式給食の魅力
学校給食は、昭和29年(1954年)に学校給食法が制定され本格的に始まりました。そのころの給食は「栄養補給」が主な目的でしたが、近年は私たちのライフスタイルの多様化により、食を取り巻く環境も大きく変化してきました。その中で、子どもたちの豊かな人間性を育み、生きる力を身に付けていくためには、「食」が重要であるとの考えから、給食は単なる栄養補給のためだけではなく、子どもたちへの食に関わる教育「食育」の場としての認識が広がっています。
佐倉市の自校式給食では、各小中学校に常勤している栄養士・栄養教諭が給食の献立を考えます。
子どもたちに身近な存在である栄養士・栄養教諭が、背景を知ったうえで食材を手配するため、献立とそれぞれの食材とを関連させた実践的な食育がしやすいことが特徴です。
▽point!自校式で、給食に佐倉の自然の恵みを生かす
自校式給食は、学校ごとに食材を手配するので、近隣農家で採れた地場産物を利用しやすい
→安全・安心な給食の提供につながるほか、各校の栄養士・栄養教諭が子どもたちに直接、食の大切さを伝えられます!
◆特色ある給食を通じた食育
私たちが普段食べているブロッコリーやアスパラガスなどの西洋野菜を日本に広めたのは、旧佐倉藩出身の農学者・津田仙であることを知っていますか?市内の学校では、仙の命日である毎年4月24日前後に、彼が普及させた西洋野菜を中心とした献立の給食「津田仙給食」を提供しています。
ほかにも、仙から西洋野菜を広めたいと相談を受け、「手軽西洋料理」という料理本を出版したクララ・ホイットニーにちなんだ、「クララメニュー」(毎年12月実施)や、1月24日~30日の全国学校給食週間に提供している「佐倉市統一献立~育て元気なさくらっ子~給食」など、特色ある給食を通じて、自分たちのまちについて学ぶ食育を推進しています。
根郷小学校では、津田仙について学んだことをもとに、児童が考えた献立の津田仙給食を提供しました。
この日のメニューは西洋野菜を使用した「仙の野菜グラタン」や「いちごのパンナコッタ」など。実は、いちごの栽培に日本で初めて成功したのも津田仙です!
▽point!食育は世代を問わない
食育は、子どもたちだけが対象ではありません。食に関する知識を身に付け、食を選択する力を習得したり、食を通して地域の魅力・文化を知ったりすることは、世代を問わず必要不可欠です。
市では「食を通して人を育み支えあうまち佐倉」をキーワードに、生活のさまざまな場面での食育に取り組んでいます。市の食育推進の詳細は、市ホームページをご覧ください。
問合せ:農政課
【電話】484-6142
■給食で伝えたい想い 給食に携わる人々
▽「地元の野菜を、地元の子どもたちに食べてほしい」その想いで給食の野菜を作り続けています
市内農家 河村さん夫妻
市内の学校給食で使われる、ほうれん草などの野菜を納めるようになって15年以上が経ちました。元々は別の仕事をしていましたが、50歳を過ぎてから農業を始め、「せっかく農業をするなら、地元で採れた野菜を地元の子どもたちに食べてほしい」と思い、佐倉の給食のために野菜を作っています。
学校給食への食材提供は、とても難しいです。献立が事前に決まっているので、「今日必ずこの野菜を、これだけの数量納めなければいけない」という日には、たとえ雨が降ろうが、雪が降ろうが収穫のため畑に行かなければなりません。それでも続けられるのは、食材を給食に提供し始めたときと変わらない、「地元の野菜を、地元の子どもたちに食べてほしい」からです。
自分と妻が元気に畑に行ける間は、佐倉の子どもたちのためにこれからも野菜を作り続けます。子どもたちが元気に成長していくことを、提供する野菜を通して願っています。
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