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市美術館コレクション探訪

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千葉県千葉市中央区

■曾我蕭白(そがしょうはく)〔獅子虎図屏風〕紙本墨画 2曲1双
宝暦(1751年から64年)頃 千葉市美術館蔵

左右で対をなす屏風の右側に獅子、左側に虎が描かれています。いずれも魔を祓う聖なる獣としてあがめられてきた存在ですが、本作では親しみやすく、笑いを誘う姿で描かれます。右側の獅子を見ると、何かにおびえるような格好で岩にしがみついています。視線の先には蝶々。大きく勇ましいはずの獅子が、小さな蝶に怯える姿には、何らかの風刺も込められていそうです。一方、左側の虎図に目を向けると、何とも言えず人間くさい微妙な表情が、臆病な獅子を馬鹿にしてにんまりと笑っているように思えてきます。作者は、円山応挙や伊藤若冲らと同時代の京都で活躍した曾我蕭白(そがしょうはく、1730-81)。伝統的な画題にアレンジを加え、滑稽味を持たせた個性的な作風で知られます。12月・1月の常設展示室ではこの屏風を含む蕭白の作品を特集展示します。ウイットに富む図様とともに、踊るように巧みな墨線が魅力的な作品が並びます。ぜひ間近でご堪能ください。

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