■田中一村(いっそん)
《白い花》昭和20年代 個人蔵(千葉市美術館寄託)
田中一村(1908-77)は、昭和13年からの約20年、現在の中央区千葉寺町に住んだ日本画家です。中央画壇とは離れ、50歳を過ぎて単身千葉から奄美大島に移り、切り詰めた生活のうえ生涯の集大成として奄美の植物景観画を描くも、公表の機会のないまま同地で没。没後に初めて全国に知られるようになりました。この《白い花》は、広がるヤマボウシの葉陰からトラツグミの姿がのぞく、生命感あふれる画面。戦後「青龍展」に入選した二曲屏風の図柄を翻案し千葉で描かれた欄間額です。
千葉市美術館は、いま東京で開催中の大規模な「田中一村展」を監修、特別協力しています。常設展示室では10月9日(水曜日)からの特集展示「田中一村と千葉」でさらにお楽しみください。
(常設展示室にて12月1日(日曜日)まで展示。11月5日(火曜日)、11日(月曜日)から14日(木曜日)休館)
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