■山本梅逸(やまもとばいいつ)
《四季山水図》嘉永5年(1852)
絹本着色 4幅のうち右幅 千葉市美術館蔵
柳の新芽が色鮮やかに芽吹き、桃の花が咲き乱れる村の景色。画面の手前にはロバに乗った旅人がごく小さく描かれ、鑑賞する私たちの先導役をつとめてくれます。遠く、山の麓にみえる高い建物が彼らの旅の目的地なのかもしれません。本図は、名古屋出身の文人画家・山本梅逸(1783-1856)による四季山水図のうちの一幅です。華やかな花鳥画を得意とした梅逸ですが、実はこのような山水画にも優れた作品が多いことはあまり知られていません。
5月の常設展示室では梅逸とその盟友・中林竹洞の作品を特集展示します。何かと忙しい新年度の初め、軽やかな線描と透明感あふれる色彩が調和する梅逸の風景画に心癒されてください。
(常設展示室にて6月2日(日曜日)まで展示)
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