■白井美穂(しらいみお)
《Table》
1992年千葉市美術館蔵
美術家の白井美穂による大型の立体作品《Table》は、千葉市美術館に2022年度に新たに収蔵された作品です。「テーブル」という作品名は食卓のある光景を想像させますが、テーブルが本来あるはずの場所は、プラスチック製の樹木が密集しており、まるで小さな森のようです。また、それらを挟んで置かれた12脚のイスは、人工物の樹木に座ることが妨げられ、見る人に不自由な印象を与えています。本作は、海外での発表が多くなっていく1992年に制作され、その後、作家は2006年までニューヨークを拠点に活動しています。異なる土地や文化間でのコミュニケーションと、それを阻む壁をテーマとした時期の代表作といえる一点です。
(常設展示室にて6月30日まで展示)
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