文字サイズ
自治体の皆さまへ

南房総市の民話

5/13

千葉県南房総市

■「あさりの化石(かせき)」第210話 生稲謹爾(いくいなきんじ)
旧八束(やつか)小学校の西側の道路を北方に向かって歩くと、深名(ふかな)のマセグチと呼ばれるところがあり、左手に墓地(ぼち)があります。
海抜(かいばつ)十七メートルくらいの地ですが、その辺は太古(たいこ)の昔、海だったのです。
現在の地形からでは考えられない話ですが、大きな堀になっている所や、普通の平らな地面を掘りますと、その証拠が現れるのです。
昔の話ですが、昭和二十四(一九四六)年、筆者の私が青年の頃、四H(よんえいち)クラブ(農村青少年クラブ)と呼ぶ団体に属していた時、そのクラブが活動資金を得るため、水田に変えようと、大きな堀になっている地面を平らにする作業をしていますと、驚いたことに、そこが太古の昔は海だったことが分かったのです。
そこには、なぜか海砂がなかったのですが、アサリの貝がらが一面に現れたからです。
その数は何万個か数えきれないほどでしたが、不思議なのは、全ての貝が口を閉じたままだったことでした。突然、大地震が起きて、海岸が隆起(りゅうき)し、逃げる暇がなかったからではないかと、作業中の皆が思いました。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU