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シリーズめっけたぁ!!おらがの文化財(81)~南房総市内の文化財を紹介します~

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千葉県南房総市

■県指定有形文化財(工芸品)
『繍字法華経陀羅尼品(しゅうじほけきょうだらにほん)』
所在地:府中687-1(三芳地区)
所有者:宝珠院(真言宗)

□海を渡ってきた刺繍(ししゅう)のお経
三芳地区府中の宝珠院には、刺繍でつくられた一巻のお経が伝わっています。これは陀羅尼品と呼ばれるお経で、法華経を構成する全28章(二十八品(にじゅうはちほん))のひとつです。
この陀羅尼品は、白い絹布(けんぷ)に藍(あい)色の絹糸で経文が縫い取られていますが、「佛(ほとけ)」の字だけは金色の糸で表現されています。また、巻頭には釈迦如来(しゃかにょらい)・普賢菩薩(ふげんぼさつ)・天部(てんぶ)の像が、巻末には千手観音菩薩(せんじゅかんのんぼさつ)の像が彩色で描かれています。
巻末の奥書(おくがき)には、中国元(げん)朝の至正(しせい)21年(1361)に平江州嘉定(へいこうしゅうかてい)(現在の上海(しゃんはい)付近)在住の姚(よう)氏の娘二人が寄付を募り、多数の女性と制作したことが記されています。
伝来の詳細は不明ですが、奥書の後ろに添えられた文章から、元禄(げんろく)15年(1702)に京都・智積院(ちしゃくいん)第9世の宥鑁(ゆうばん)という僧侶が、宝珠院に与えた経典であることがわかります。なお、館山市の那古寺には、繍字の法華経普門品(ほけきょうふもんほん)が伝えられており、こちらの巻末奥書にも、この陀羅尼品と同様の由来が記されています。

□公開
・非公開

マナーを守って楽しく見学しましょう。見学する時は、所有者・管理者の指示に必ず従ってください。

問合せ:教育委員会生涯学習課
【電話】46-2963

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