■市指定有形文化財(彫刻)
『波(なみ)と竜(りゅう)・麒麟(きりん)』
所在地/千倉町大川(おおかわ)817(千倉地区)
所有者/大聖院(だいしょういん)(真言宗)
□名工(めいこう)・波の伊八(いはち)が手がけた欄間(らんま)彫刻
千倉町大川の大聖院(通称:高塚不動尊(たかつかふどうそん))は、嘉応(かおう)元年(1169)の開山とされている真言宗の寺院です。
本堂内にある本尊(ほんぞん)手前の欄間には、3面の彫刻がはめ込まれていますが、これは「初代波の伊八」の異名を持つ下打墨(しもうつつみ)村(現在の鴨川市打墨)出身の彫工(ちょうこう)・武志伊八郎信由(たけしいはちろうのぶよし)(1751~1824)が、安永(あんえい)4年(1775)に制作した作品です。
中央の欄間にある「波と竜」は縦69.5cm・横225.0cmの作品で、伊八の代名詞である躍動感(やくどうかん)のある波の上に、炎を纏(まと)った竜が表現されています。また、左右の欄間にある「麒麟」は、どちらも縦69.5cm・横135.0cmであり、雲の上を駆(か)ける麒麟が表現されています。
いずれの彫刻も、上下に2枚つなぎ合わせた厚さ14.0cmの板に彫られていますが、彫刻の一部が枠から飛び出した大胆な意匠と、遠近感のある巧みな構図によって、実際の厚み以上に奥行きを感じる作品となっています。
破損がほとんどなく、保存状態が良好な本作は、初代伊八の技術の高さを現代に伝える貴重な資料です。
□公開
・拝観の際は、必ずお寺の人に声をかけてから本堂に上がってください。管理者不在時は拝観できません。
・トイレあり/駐車場あり
*マナーを守って楽しく見学しましょう。
*見学する時は、所有者・管理者の指示に必ず従ってください。
問合せ:教育委員会生涯学習課
【電話】46-2963
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